国立近代美術館工芸館で開催されている、羅・経錦で重要無形文化財の各個認定保持者
になっている(いわゆる人間国宝)北村武資先生の『「織」を極める』展へサーチ(~4月15日まで)

工芸館は旧近衛師団司令部庁舎として建築され明治洋風煉瓦つくり建築の典型例として
重要無形文化財に指定されています。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
※館内の撮影は閉館時に許可をいただいてから撮影させていただいております。
外壁とともに重要無形文化財に指定されている階段とエントランスホールも素敵ドキドキ
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14時から北村武資先生によるギャラリートークが行われ満員電車並みの混雑でした汗
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作品の撮影許可はいただいておりませんので、こちらを↓(掲載許可いただいております)
国立近代美術館の立看板から作品の写真を拝借しております。
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ギャラリートークでは、スライドで作品を見ながらの細かな解説がありました。以下抜粋です。
●羅の技術について
(※羅の構造は、簡単に言うと経糸を左右にクロスさせたところに緯糸を通して織りあげると、
経糸の綟れたところに空間ができ、網目ができるというもの。一張羅の語源でもあります)
2100年以上昔の古代中国、前漢の墳墓から発掘された羅の写真を見て、どうなっているのか
興味をいだき、古代には織られていたが現代では織れないとされていた羅の復元にチャレンジ
したというお話。資料を分析し織りあげるが、羅の構造は同じでも、糸の質、織りあがっている
感覚を復元するのは極めて難しかったのだそう。
日本工芸展に出品して以来、新しいものを発表しなければと思い込んできたが、能力に限界を
感じて、織物の根本、どう生れたのか、どういう機で織られたのか、根本と歴史を学んだとのこと。
その後、織そのものの技術より文様を意識するようになって、糸に特色がある異質の素材を
つかうことによって新しい羅を生みだしたというお話がありました。
羅の構造も壊していくことによって生れる歪みを文様にして、復元とは逆に今までにない新しい
ものをつくることができたのだそうです。
●経錦の技術について
(※複数の経糸の浮き沈みで文様をあらわす経糸の密度の高い織物)
綜絖の図案についてのお話もありました。本来ならば専門家にまかせるものだそうですが、
北村先生は自分の思うような形にするには自分でするしかないと思うようになって、折に触れ
書き訓練し自分で図案を書くようになったのだそう。それによって統一感、緊張感がある作品が
できるというお話でした。
経錦に金箔、銀箔をつかい新しい発想でのスタイルも確立され、佐賀錦のような感じの織物もできると。
綜絖、筬などは独自で考えたものを使用しているのだそう。

この図録↓作品だけでなく、羅・経錦の構造組織図がわかりやすく説明されています。
年譜もとても詳細でおススメ。
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『「織」を極める』のタイトルに相応しく、糸が織りなす精密な計算と糸の遊びの部分や歪み
までも文様にし新しい織物をつくりあげるその精神、そして最高峰の織物の透明感と艶。
国立近代美術館工芸館の展示はガラスケースに入っていないものが多いので、質感も
じっくりと楽しめます。これは貴重な機会です!!

過去ブログより↓森口華弘先生の訪問着に北村武資先生の経錦の袋帯をコーディネート。
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今日(もう昨日になってしまいましたが…)の装い。
あまり外出時に着ることはない母からのお下がりの小千谷紬。ルームウエアでほぼスッピン汗
着替えてから出掛けるつもりだったのですが、時間がなくてこのまま来てしまいました…σ(^_^;)
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帯は帯屋捨松のスウェーデン裂文の八寸帯、帯あげは梅文様の縮緬、帯〆は五嶋組紐
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小雨だったのですが雨コートも着ず、タクシーで駆けつけました。
着いたときにはすごい人人人ヽ((◎д◎ ))ゝ
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※お待たせしております、きもの文化講座のレポもあげていきます。


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