日本きもの学会堅守旅行のつづきです

越後上布技術保存協会副会長の中島清志先生とカメラ
先生の作品は、三越の伝統工芸展でいつもじーっと目見てます。
この写真は夜の懇親会でのお写真です。
貴重なお話をお聞きしたはずですが、お酒が入ったのですっかり忘れました((>д<))
スミマセン、お酒好きなんですが、めちゃくちゃ弱いんです…。懇親会のレポはまた後程。
きもの カンタービレ♪

塩沢織物工業協同組合さんへ。
こちらで、越後上布の職人さんたちがこの研修旅行の為に集まってくださり、工程をみせて
いただけることになっているのです。
男性陣のテンションがあがっていた、塩沢紬のPRポスター。
きものの良さってこういうものじゃないと思いますが、まあ人それぞれでしょうか( ̄_ ̄ i)
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
展示されていた塩沢でつくられる織物の数々。私は塩沢御召が好きなのでよく着ていますドキドキ
塩沢織物工業協同組合・越後上布技術保存協会の会長の小河正義先生のお話からスタート。

雪と共に培ってきた織物は、きものが生活そのものでなくなってしまった為に、
今ではその技術を残し守るための努力となってしまったというお話がありました。
きものを着ることが非日常化してしまった現在に、お値段があまりにもお高くなってしまう
越後上布を着る人はごく一部。そうそう売れなくなってしまうのは仕方がないでしょう。
でも、この技術を継承していくには、需要がなければ当然むずかしい訳で…。
具体的な数字のお話もお聞きしましたが、生産量と売上げ、工程日数から1人当たりの
人件費をざくっと換算すると、げんなりしちゃいます汗

越後上布は小千谷縮とともに2009年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪

【越後上布】
越後では1200年も前から越後麻布が織られていました。昔は山(やまそ)といわれる
山に自生する麻をつかっていましたが、畑で栽培するようになり、これを青(あおそ)と
いうようになります。昔は布といえば麻のこと。上布とは江戸時代に献上品として織られた
上品質の麻布のことです。

福島県昭和村で栽培されているイラクサ科の多年草の青。別名はからむし
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
績み(おうみ) 
乾燥させた青水につけて柔らかくしてから爪で細く裂いて撚りながら糸にします。
湿度の高い冬の時期が望ましいとのこと。
きもの カンタービレ♪
根気がいる作業で、1反分を績むのに1ヶ月~3ヶ月かかるのだそう((((((ノ゚⊿゚)ノ
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
●撚りかけ ●糊つけ
績んだ糸を糸車のような大きな撚車に巻きつけ、回転させながら糸に撚りをかけます。
これによって弾力をもたせて糸を強くするのだそう。つかっているのは海草からとった布糊。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
●綛取り(かせとり)・伸べ 
麻糸の単位と綛といいます。撚った糸を綛上枠という竹筒がついた木枠に巻きつけて480回で
一綛となるのだそう(約3m)。糸の張りを均等にして長さと本数を揃える工程です。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
●手くびりの技法による絣くくり
越後上布の重要無形文化財の指定条件のひとつである、手くびりによる絣模様つけができるのは
この方、たったお1人なのだそうです。絣好きの私としてはこの技が受けづかれていくことを願わず
にはいられません。
きもの カンタービレ♪
図案に沿って染め抜く位置を決めて、白く残す部分をひとつひとつ糸で固く縛って防染します。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
左◇絣の図案、素敵なものありました!
右◇絣くくりした糸の染める前と後。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
●居座機(いざりばた)による機織
床に座って腰にシマキを巻いて経糸を強く張って織るそうです。
「この装備をつけちゃったら休む時は?」とお聞きすると、この状態でお茶飲んだりするのだそう。
座りっぱなしでも平気ですっとおっしゃっていました。若いのに偉いわ~:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
足と腰をつかって織り上げる感じ。腹筋が鍛えられそう。。。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
ラミーと手績みした糸だとラミーのほうが糸が伸びる分切れにくく織りやすいのだとか。
手績みの糸は切れやすいので、湿度が高い冬が最適とのこと。
ちなみにラミーは高機で織られることがほとんどなのだそうです。
きもの カンタービレ♪

麻が苦手だった私も昨年の夏は暑さに負けて越後上布に袖を通しました。
(大量生産のラミーのものですが、絣模様がとっても気に入ってますドキドキ)
今後のきもの生活には、麻織物はなくてはならないものになりそうです。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
今回の工房見学の為に来てくださった職人さんがお若い女性が多かったことに驚いたのですが、
越後上布技術保存協会で講習会を開き、後継者育成に力を入れているからだそうです。
お高いものは無理ですが、温暖化の昨今できる限り購入にも力を入れたいところですね…(゚ー゚;


きもの カンタービレ♪ Facebookページ