美しいキモノ×25ans共同企画による、山種美術館で公開中(~3月25日まで)の
『和のよそおい~松園・清方・深水』、山種美術館館長の山崎妙子さんによる解説付きの鑑賞会
と木村孝先生の『きものおしゃれ塾』出版記念トークショーという贅沢な催しがありました。

山種美術館の素晴らしいところは、靴の音が響かないこと、それから退色から守るためだと
思われますが、展示室は地下にあって、しかも照明へのこだわりが感じられるところです。
きもの カンタービレ♪
左◇館長の山崎妙子さん。たいへんお美しいかたでいらっしゃいますキラキラ
きものの着こなしも流石でいらっしゃいますが、解説もとてもわかりやすく勉強になりました。
染と縫いの花菱文様の訪問着に喜多川俵二の窠に霰(かにあられ)文様の袋帯の装い。
霰(あられ)とは、束帯の表袴地につかわれた文様で後に石畳といわれる市松文様のことです。

右◇木村孝先生。
薄抹茶色の付けさげ訪問着に雪持ち笹の刺繍の帯の装い。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
左◇イベントは25ans編集長の十河洋美さんのご挨拶からスタート。
25ansの木村孝先生の連載は好評で、5月号には孝先生の特集が組まれるのだそうです。
これは楽しみ。誌上最高齢でしょうね~ヽ(゚◇゚ )ノ
辻が花文様の訪問着に有職文様の袋帯(喜多川先生の作品でしょうか?)の装い。

右◇美しいキモノ編集長の棚町敦子さんとカメラ 昨日は京都でご一緒させていただきました。
西洋画風に描かれた四季の花の訪問着に華文の袋帯の装い。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪

●木村孝先生のトークショーから抜粋φ(.. )
これから鑑賞するにあたって、松園が描く女性には上方女性特有の品があるというお話から。
日本髪に髱(たぼ)があるため衿を抜くので、きものが後にひきづられ紋の位置が違ってみえる。
衿元をキッチリあわせない帯〆をつかわない帯結びが多いこと、など。
きものの着用時期について。
50年単位でやや変化をみせるもの、温暖化に合わせて葵祭りの頃からきものは単衣で帯は
袷用のものでもよい。初夏のきものは先どりしても良いけれど秋はしない。
色のお話では、日本の色は深みがある。色彩は時代と共に変化していくもの。
お召しになっていらした付けさげに関連して、付けさげ(紋なし)だと羽織を着ることができるので、
お芝居に行くときなど寒いときには便利ということ。
などなど、お話がございました。

『和のよそおい』展にあわせたオリジナルの和菓子と呈茶をいただきました。
開催期間中いただけるこの和菓子は青山の菊家に特別にオーダーしたものだそうです。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪

いよいよ『和のよそおいー松園・清方・深水』の鑑賞へ目
館内貸切でのイベントだったこともあって、とてもゆったりと見て歩くことができました。
松園の18点も見ごたえがありますが、はじめて見た作品、青いステンドグラスに黒でくっきり
描かれたような幻想的な印象の橋本明治「月庭」にグーッと魅せられました。

●山崎妙子館長による解説からちょっとだけ抜粋φ(.. )
会場に入ってすぐに目に入る、鏑木清方「伽羅」
髪に香りを焚きしめる香枕と朝顔文様のきものに菖蒲文様の打掛とあまり季節とらわれていない
当時の装いも見所。
鈴木春信、鳥居清長、喜多川歌麿の浮世絵は今まで公開することが無かったために退色せず
紫の色もハッキリとわかるというお話。
安井曽太郎はデッサン力に優れていて、見たものをありのままに描くのではなく、デフォルメして
崩すのが上手い。梅原龍三郎とは同門であり、安井か梅原かと言われるのだそう。
上村松園のきものの白緑色の色づかい。松園好みの髪型、白衿には後から胡粉で更に絵を
足している。←いわれるまで気がつきませんでした。

松園の絵は図録などでもよく見るのですが、とくに印象的だったのが表装のセンスの良さ。
図録などには表装までは載らないので、美術展で見ることに価値があります。
山崎館長のお話では、上村松園と表具屋の岡墨光堂さんが近くだったこともあり、松園の指示に
よって表具がつくられてきているのだそうです。
「桜可里」の表装につかわれた石畳牡丹文金襴の裂が残っているのだそう。
※表装についてお聴きしたところ、丁寧に説明くださり、資料として家庭画報にて連載されている
記事もくださいました。ありがとうございましたm(_ _ )m

他にも伊藤深水、安井曽太郎、奥村土牛、などなど。
孝先生のお話にあった、紋の位置、衿の合わせ方など、描かれる女性の着こなしにも
注目して鑑賞するとより楽しめます。
きもの好きなら、ウットリドキドキすること間違いない展覧会でした。

そして、美しいキモノ×25ansの読者スナップの撮影も行われました。
きもの カンタービレ♪ きもの カンタービレ♪
私の装いは、日本画を意識して千總の花鳥扇面図の小紋に鎧脅の織なごや帯をコーディネート。
道行は昨日と同じ蜜柑色のオリエンタル調の絵羽のもの。←写真撮り忘れ
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
簪とバッグはかづら清老舗。
ヘアは前日の祝賀会のためにセットしていただいたままだったのですが、朝起きたら狂女
のようになってしまっていて、慌てて近所の美容院で応急処置をしていただきました。
松竹梅のバッグは祝賀会の後にかづら清老舗に立ち寄って購入。←別記事でもあげます。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
最後に木村孝先生と山崎妙子さんとのスリーショットを撮らせていただきましたカメラ
素晴らしいお話と眼の保養をさせていただき、日本女性の美を再認識させていただきました。
ありがとうございましたm(_ _ )m
きもの カンタービレ♪

※撮影及び『きものカンタービレ♪』への掲載許可を主催者様よりいただいております。

日本きもの学会研修旅行のレポは随時あげていきます。
お待ちください('-^*)/


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