今夏いただいたお問い合わせの中で多かったのが、
「真夏の結婚式(披露宴)にきものでいきたいのですが、何を着たらいいでしょうか」
というもの手紙

最近は和装結婚式も多くなったそうですが、花嫁衣裳は袷仕立てのほうが豪華に
みえることもあって、今は、レンタルの花嫁衣裳で夏物はまずないそうです。
双方のご親族、お仲人さまも花嫁衣裳にあわせて袷の黒留袖の方々がほとんどだそうで、
招待客の方もホテルでの挙式披露宴では袷でそろえられることが多いとお聞きしています。
なので、ご招待くださった方にお聞きの上、皆さま袷でそろえられるようでしたら袷のものを、
花嫁はウエディングドレス、お仲人はなし、ご親族の方は洋装ということでしたら、真夏は
絽か紋紗の訪問着、もしくは華やかな絽の小紋でもよろしいのではないかと思います。

真夏の花嫁衣裳といえば、昨年7月に市川海老蔵さんとご結婚された小林真央さんの
花嫁衣裳は白無垢、色打掛ともに夏物でした。
白無垢は、立涌唐草浮織牡丹顕紋紗。顕紋紗とは経糸3本を1組にして捩り織にしたもので、
夏の狩衣などにつかわれる生地。
色打掛は、白麻水衣地大牡丹。水衣とは細い麻糸を経糸に太い麻糸を緯糸にし、緩い打ち込み
で平織した生地のことで、波打つように緯糸をかきよせることから水衣といわれるそうです。
能装束によくみられます。
※衣裳の詳細につきましては、当日生中継された局のスタッフの方に教えていただきました。

花嫁衣裳は夏物でしたが、お姉さまの小林麻耶さんは樋熊哲也氏作の袷の絞りの振袖。
列席者の方も絽の訪問着の方もいらっしゃれば、袷の訪問着の方もいらっしゃるように
お見受けいたしました。

真夏の結婚式の礼装の着用時期のルールは、会場と列席者の方の雰囲気しだいによって、
袷でも夏物でもよろしいのではないでしょうか。
個人的には、夏の訪問着には夏の文様があってとっても素敵ですので、真夏には袷よりも夏物を
お召しになっていただきたいと思ってます。
昭和のアンティークきものには夏物で素晴らしいものがあったりするので、こういったものを
探されても楽しいのでは('-^*)/

過去の夏の結婚式の装い教会

流水に鴛鴦の紋紗の訪問着に菱に向い鶴の絽綴の袋帯をコーディネート。
この結婚式の後、着つけがしやすいように、袋帯からなごや帯に仕立て直ししました。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
美しいキモノ2011年夏号の撮影にて着用しました。正面着姿は本誌にてご覧くださいませ。
大彦の三代目野口彦太郎作の絽の訪問着。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
秋草文様の絽小紋に龍村美術織物の唐草文様の絽のなごや帯。
真夏の軽井沢の教会結婚式とレストランウェディングにて。
きもの カンタービレ♪ きもの カンタービレ♪
秋草の刺繍された単衣の付けさげ訪問着に向鶴文様の絽綴の帯。
6月9月は結婚式やパーティーが多いので、この装いはヘビロテあせ
なのに、単衣の訪問着はあまり持っていないんです。今後の課題ですね。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪

きもの カンタービレ♪ Facebookページ