NHK文化センター青山教室×美しいキモノのコラボレーション企画
富田染工芸の富田篤さんによる「きものの手入れと保管」講座へメモ
きもの カンタービレ♪
富田染工芸さんは明治の始めに神田川のほとり早稲田の地で創業されたそうです。
もとは反物見本をつくって京染屋さんにわたす仕事を請け負っていたそうですが、
京染屋さんが姿をけしてしまったので、12年前に染め替え悉皆屋を立ち上げたとのことでした。

きもののお手入れと畳み方、保管の仕方についてお話くださいました。
右)富田篤さん 左)染色補正士の松田光二さん
工業用ベンジンや植物の根を乾燥させてつくったシミ落とし用のブラシ、電気コテなど
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
●シワは蒸気アイロンでとる。
アイロン後はそのままきものハンガーにかけて吊るしておくこと。必ず湿気をとばすことが重要。
※ちなみに私は輪ジミや縮むのが怖いので蒸気は使いません。当て布に霧吹きしてかけます。※
●化粧品のパウダーの粒子は細かくて生地に入り込んでしまうので、着付の前に化粧をするように。
●悉皆屋にシミ抜きを依頼するときは、汚れているところにシールを貼っておくと良いとのこと。
●市販のベンジンは揮発性は高いが香料が入っている為に輪ジミの原因になることがある。
●ベンジンを使ったあとは、冷風ドライヤーを(温風は火事のもとになるので絶対にダメ!)
●大島紬のファンデーション落とし、今はプロでもベンジンをつかうとのことでした。
昔は藁灰をつかって落としたそうですが、植物染めでもサッとすれば大丈夫です。とのことですが、
心配なものは(心配でないものなんてございませんが…)プロに任せましょうとのこと。
●金箔は昔の本金は大丈夫だが今のアルミ金は接着剤でつけてあるのでベンジンではとけてしまう
ので、こちらもプロにお任せをとのこと。

工業用ベンジンをつかったシミ落としの実演。プロの手早い手つきを見学目
たっぷりつけて叩き込む。絶対に擦らないことビックリマーク擦らず叩く、暈す。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
水シミをキワがつきにくいようにシミ落としする実演。仕上げのアイロンは乾いてからビックリマーク
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
その他に、きもののしまい方、保管の仕方ということで、畳む実演もございました。
左)本たたみ 右)夜着たたみ
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
●たとう紙に入っているボール紙は湿気を吸うので外すこと。
●防虫剤は四隅におくこと。違う種類のものは入れないこと。
●きものはあまり重ねないように。たまに上下入れ替えること。
●湿気の少ない時期に虫干ししましょうとのこと。
その他に、アルミでできた袋に窒素ガスを入れる保管方法もあるというお話もお聴きしました。
今日のお話をお聴きする限りでは、今までのきものの手入れのやり方で問題がなさそうで
ホッといたしました。
きものの手入れ問題は皆さまが和装離れしてしまった要因のひとつなので、もっと自分で
簡単にできるお手入れ方法があるといいなっと改めて考えたり…。
結局のところ、下手に自分でやってしまうよりプロに任せたほうが安全というお話でございました。
確かにその通りなんですが、日常着として着ているものくらいは自分で何とかしたいっと
切望しています汗

講義の後は、一緒に講義を受けた素敵なマダムとお茶しましたコーヒー
ルコントがなくなってしまったので(ここのケーキ好きだったのに!)外苑前の銀杏並木にあるセランへ。
琉球絣に紬地に梅に鶯が描かれた染め帯をコーディネート。
琉球藍で染められた濃紺地にフクギで染められた糸の絣はテージクンビーマ(げんこつ形)
といわれる琉球絣模様です。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪

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