先日のきもの学公開講座「結髪と装いの美」の中で、江戸時代には
数百種の髪型のバリエーションがあったというお話がありました。

時代劇や漫画は星の数ほどありますが、髪型や化粧の時代考証が
きちんとされている作品は皆無に等しいです。
リアリティを追求しても、見た目違和感がありすぎて恐いものがあるので
それはそれでいいのですが、とある少女漫画の作者あとがきにその辺りのことが
詳細に書かれていました。

新選組をテーマに書かれている『風光る』現在29巻まで小学館より刊行されています。
幕末の新選組がテーマの作品ですが、細かなことまでトコトン追求する作者らしく、
背景やちょっとした小道具や家屋にまで、江戸と京都の違いなどが描かれていたりします。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
連載当初は、江戸か上方、身分や年齢、未婚か既婚かによって髪型が違うということを
知らなかったそうですが、連載が進むにしたがって徹底研究されたようで、先笄や両輪、
つぶし島田、丸髷に関しても詳細に書いていらっしゃいます。
左)先笄   右)両輪。鬢づけ油で固めたつけ毛をつかってつくります。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
左)奴島田   右)京風と江戸風のつぶし島田
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪
丸髷。小枕という小道具が入っていたそうです。
きもの カンタービレ♪


風光る (14) (flowersフラワーコミックス)
(C)Taeko Watanabe 2003 ISBN4-09-138104-9


日本髪を詳細に描く為にアシスタントの方を実験台にして色々試されたそうで、髪結の小道具の
京と江戸の違いの説明もありました。
鬢張(京)⇔鬢差(江戸)、髱入れ(京)⇔髱差(江戸)

新選組の人間群像がとても新鮮に描かれていて、面白いです。
私のお気に入りは土方歳三と伊東甲子太郎。
この二人の関係がいやはや…。←是非みてください。

幕末期の風俗に興味のある方に特におすすめいたしますチョキ


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