先日、後日改めて…と書いた染色堅牢度のお話です。

京都のきもの学での元京都市染色試験場長の梶原俊明先生の講義の中で、
「水では色の濃いものが落ちやすく、日光には色の薄いものが焼けやすい」
というお話がございました。
私が母から譲り受けたきものの中には、片身替わりのように色焼けしているきもの、
帯上と帯下の上前が違う地色に見えてしまうほど色焼けしてしまったきものなどがが
ありましたが、薄い地色のきものばかりでした。

若草色の色無地は地紋が気に入っていたこともあり、濃緑色に染め替え、
水色の江戸小紋は、目引き染で紫色に染め替えました。
(透明感があってしかも堅牢度の高い小宮康孝さんの江戸小紋、いつか欲しいです)←願望キラキラ

問題は色焼けしてしまった小紋と訪問着。
小紋は文様があるせいか、あまり色焼けが目立たないのでそのまま着用し着倒すことにし、
訪問着は、余裕のある時に(そんな時があるの?っと自問自答してみたりして汗
糊置きして地色替えすることにいたしました。
とはいっても、糊置きしての地色替えは費用がかさみますし、とくに気に入っているものでも
ないので、雨の日用の訪問着としてこちらも着倒すことになってしまいそうな予感あせ

この志ま亀の小紋は母が若かりし頃に着ていたものですが、まるで片身替わりのきもの
のように左側が色焼けしておりました。購入したのは30年以上前らしいので充分もとは
とっております。しかも娘の私もお気に入りでヘビーローテーションで愛用中。
きもの カンタービレ♪
左)色焼けしてないところ。右)色焼けしたところ。
画像ではわかりにくいのですが、菊の黄色はかなり退色してます。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪

志ま亀のきものは、独特のコックリした色(林真理子さんのエッセイにでてくる表現)で
他メーカーさんの染め帯や小物とのコーディネートは難しいです。
(私は、きものはきものでも『志ま亀』というひとつのナショナルコスチュームだと思ってます)
この独特の色、とても魅力的なのですが、これがまた染色堅牢度が低いらしく、色焼けもしますし、
摩擦にも弱く、衿の折れ目なども摺れて色が落ちやすいのが難点。
衿汚れだと思っていたのは、摺れによるものということが判明し、色挿ししてもキリがないので
今では気にしないようにすることにしました。

数年前には、あるカウンターBARでビールサーバーが暴発し、ビールが私の着ていた志ま亀の
鶸色の小紋に飛び散ったことがござました( ̄□ ̄;)!!  帯はかろうじて無事でした。
悉皆屋さんにお願いしたところ、シミ抜きどころか鶸色の地色が落ちてしまい、色挿ししなければ
ならない大変面倒な事態に…。志ま亀の色は志ま亀さんでないとだせないんですよね…。
以来、志ま亀のきもののシミ抜きは志ま亀さんにお願いすることにいたしました(^_^;)

ビールサーバー暴発事件の時に着ていた志ま亀の鶸色の小紋。
きもの カンタービレ♪

私は、好きなきものが着たいので、もったいないとか考えないようにして、きもので生活して
おりますが、(箪笥の肥やしになってしまうほうがもったいないと思ってしまうタイプ)
真冬でも日差しの強い日にはできるだけ日傘をさすようにしています。
シミ抜きはわりと手軽にできますし、費用もそんなにかかりませんが、色焼けしてしまうと
取り返しのつかない事態になるということを実感しておりますのであせ

最近のきものは、耐光堅牢度が高く、日光に強いものが多いそうですが、色々と先々のことを
考えますと紫外線予防しておくにこしたことはない気がいたします。お肌の為にもなりますしね(*v.v)。
ある染織作家の先生は、晩秋でも日傘をさして自分の作品を着てくれるのはありがたいっと
おっしゃってくださいましたが、季節外れの日傘は奇異な目で見る方もいらっしゃるので、
あまりおススメはできません(^_^;)


きもの カンタービレ♪ Facebookページ