宮内庁職員であり霞会衣紋道研究会の鈴木眞弓さんによる、御遷宮の装束である
束帯と明衣の着装実演の講演の聴講に日本橋三越「伊勢神宮展」へメモ

泥大島に洛風林のすくい織の帯をコーディネート。
きもの カンタービレ♪きもの カンタービレ♪

ブログ掲載を条件に、フラッシュを使わず脇から撮影することで、写真撮影の許可を
主催者側より特別にいただいております。
ブログのPV数が増えたことにより、交渉がしやすくなりました。
これも「きものカンタービレ♪」を見てくださっている皆さまのおかげでございます。
ありがとうございますドキドキ
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御遷宮とは、社殿を造り替える20年に一度の大祭である神宮式年遷宮のこと。
正殿(しょうでん)を始め御垣内(みかきうち)の建物全てを建て替えし、
さらに殿内の 御装束や神宝を新調して、御神体を新宮へ遷します。

装束は、皇室の伝統的な行事や神事の装束である束帯、衣冠であるため、
御遷宮の際、勅使の方の着装は宮内庁の衣紋方が中心となって奉仕するそうです。
今回は、束帯と明衣(めようえ)の着装の実演です。

手前の方が鈴木眞弓さん。宮内庁の書陵部の職員の方だそうですが、国学院大学で
非常勤講師もしていらっしゃいます。とってもわかりやすい説明でしたひらめき電球

まず冠をつけ、下着である白の小袖を着て緋色の大口袴をはきます。
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表袴(うえのはかま)をつけます。
内側にはべったりと糊付して形を整えてありました。これが強装束ですね。納得ひらめき電球
地紋は窠に霰(かにあられ)文様です。
窠(か)は枠のような切れ目のある輪で、水鳥の巣(瓜の輪切り説もあり)のこと。
霰(あられ)は市松の小さいもの(今年のきもの文化検定1級問題にでました!!
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単(ひとえ)を着ます。色は紅です。
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衵(あこめ)半臂(はんぴ)は省略して、下襲(したがさね)を着ます。
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下襲の脇が縫われていないことがよくわかります。裾(きょ)をつけます。
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袍(ほう)(うえのきぬ)を着ます。
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御遷宮では至高の厳儀として大宮司、小宮司は束帯の上に明衣(めようえ)を着用します。
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石帯(せきたい)をつけます。石の飾りのある革帯のことです。
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冠に木綿鬘(ゆうかずら)をつけ、両肩に木綿襷(ゆうだすき)をつけます。
内宮と外宮でつけ方が違うそうです。
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笏(しゃく)をもち、浅沓(あさぐつ)を履きます。
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後姿をみると石帯と木綿襷とがよくわかります目
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帖紙(たとう)を懐中します。完成ですクラッカー
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服装の諸規定は明治、大正、並びに昭和20年の第2次大戦終了後と種々、変化しましたが
神宮厳儀の装束はその伝統を残しています。

ちなみに皇室の女性は、明治の欧化政策から正装は洋装、昭和20年までは和装の場合は袴着用
(袿袴のことだと思われます)だったそうです。現在のようなきもの姿をお召しになられるのは、
戦後からとのことでした。
このあたりのお話も、もっと詳しくお聴きしたかった。
鈴木眞弓さんのお話はわかりやすく明瞭、とても面白かったですクラッカー


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