藍型の単衣小紋に杜若(燕子花)に燕の夏帯でお茶のお稽古へ。

「いずれが文目(アヤメ)か杜若(カキツバタ)」という表現がありますが、それに
花菖蒲が加わりますと、さらに見分けがつかなくなります。

端午の節句につかわれる、尚武にちなんだ菖蒲(サトイモ科)と花菖蒲(アヤメ科)は全く違う植物です。
菖蒲(サトイモ科)は、食欲増進、疲労回復などの薬効成分があり、菖蒲湯は冷え性にも効果的なのだそう。
この薬効成分が邪気を払うとして古代中国の浴蘭節につかわれたのが、菖蒲湯の始まりです。

花菖蒲(アヤメ科)には薬効も香りもありません。
ですが、菖蒲(サトイモ科)の花は余りにも目立たないので、←蒲(ガマ)の花に似ています
菖蒲に草姿の似ていた、湿地に咲くアヤメ科の花を花菖蒲とし、端午の節句の花としたようです。
平安後期から鎌倉期の和歌集には「はなあやめ」という表記があり、(漢字だと「花菖蒲」)、
最古の花伝書といわれる室町時代の仙伝抄にも「五月五日のしんにははなしゃうぶ」とあるので
端午の節句が一般に普及する江戸時代中期(元禄期)以前には混同していたものと思われます。
平安末期の甲冑などにみられる菖蒲革のモチーフは花菖蒲です。

文目(アヤメ)は、花弁に綾目の黄色と紫色の虎班模様があることから文目になったという説と、
葉が剣型できちっと並んで生えることから文目(筋道の意)になったという説があるようです。
菖蒲、杜若、花菖蒲は湿地に生えますが、文目は乾いた土に生えるのも特徴です。
開花時期は4月下旬から5月。現在の端午の節句にかぶります。菖蒲 あやめ

杜若もしくは燕子花(カキツバタ)は、昔は杜若の花の汁を布に押し付け染めたので
掻付花(カキツケバナ)と呼び、それが転じて杜若(カキツバタ)となったそうです。 あやめ
万葉集にも「かきつはた 衣に摺りつけ 大夫(ますらお)の 着襲(きそ)ひ狩りする 月は来にけり」
という歌が残っています。開花時期は5月中旬頃で花菖蒲よりもひと月くらい早くに見頃を迎えます。
燕子花と表記することがあるのは、花の姿が燕が飛んでいるようにみえることからきています。

花菖蒲は6月中旬頃が見頃。旧暦では端午の節句の時期です。
江戸時代中期(元禄期)には、堀切に菖蒲園がつくられ改良が進められました。あやめ
現在では日本の梅雨の季節を鮮やかに彩る花として、杜若(燕子花)と
混同されつつきものや帯の模様に多く見られます。

きものカンタービレ♪ きものカンタービレ♪
大徳寺塔頭 徳禅寺の立花宗儀筆のお軸がかかっていましたキラキラ
きものカンタービレ♪

竹芸家の池田瓢阿さんの元で学ばれた社中の大先輩が
つくられた、鳥の巣の花入れ ツバメ
あまりにも素敵だったので撮らせていただきましたカメラ
きものカンタービレ♪

お庭に咲いていた梅花空木 白梅
手入れの行き届いたお庭には、メジロやヒヨドリが
絶えず訪れ、鳴いていました メジロ
きものカンタービレ♪

きもの◆藍型 菖蒲に牡丹、燕 単衣小紋
帯◆薄浅葱色 燕子花に燕 絽なごや帯/龍村美術織物
帯〆◆緑がかった青磁色×白ぼかし /龍工房
帯あげ◆薄黄色 水玉絞り 絽/加藤萬
ぞうり◆科布 白花緒 黄色前坪/四谷•三栄
バッグ◆銀地 紫アイリス(菖蒲) 革トートバッグ/スザンナ•ハンター
日傘◆ベージ地 金銀 正倉院丸紋 刺繍 麻/遊中川with前原光栄商店