大規模災害における軍事組織の役割(8) | WingMakerのブログ

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今回のテ-マは「大規模災害における軍事組織の役割(8)」です。

今回はですね~ティモシ-・ジェレルさんという豪国防省所属の

方の個人的な見解で書かれていたものなのですが・・・

とにかくも素晴らしい!

なるほど~。ふむふむ。ほほう~・・・と

納得いくものばかりでした。

正直、紹介しまくりたかった記事なのでございます(笑)

・・・という事で、今回は「東日本大震災における軍事組織の役割」

と「3月11日東日本大震災および核危機への人道支援・

災害救助に関する豪州国防軍の視点」というテ-マで論じられて

いるお話を紹介していきたいと思います。

豪州軍がすぐに軍を派遣できたのは、決して偶然ではなく、長年に

わたる協力の結果を反映したものだ・・・と書いています。

なるほど~・・・いくら軍を派遣したくとも災害当事国が救援を

要請しても仲が悪ければ成り立たない。

人間社会で例えるならば・・・仲が悪い人に救援は求めないし、

救援もしない。なるほど~。そういうことね・・・

東北大震災でのキャンベラさんの最初の任務は豪大使館員とその家族の

安否確認だったそうで・・・まずは自分の部下が19人、豪本国から

訪日中の一行もあり、その安否確認、被害の詳細を把握する作業・・・

といった具合。

そして核危機ですから、正直なところ、防衛省に訪問して詳細を

聞きたい訳ですよ~。ところが心に起きるその葛藤と戦い、

彼らはじっと待っていた。

それはなぜか?

日本にとっても核危機なんて未曽有の大災害は初めてであり、

防衛省、自衛隊の上層部でさえも状況の把握が必要であり、

時間が必要だった。善意で掛けた電話でさえ対応している暇は

ないはず・・・と思い、防衛省職員たちに時間的余裕を与え、

多忙を極める彼らに負担を掛けないように配慮した・・・

それも我々の仕事の一つだった・・・なんて相手を慮る

心遣い・・・とても素晴らしいジェントルマンだぜ~!

我々もですね・・・見習わないといけません!

地震であちこちに電話をかけまくっていると、本当に必要な

電話・・・例えば救急車やパトカ-などですね・・・

呼ぶことができない。

そうなると困る訳です。

その点、この方は冷静です!もし情報を急いで聞くと

聞かれる方も焦って、必要な情報が洩れてしまうかもしれない。

余裕をもって相手に接すれば、必要な情報が自然に集まって

くる・・・ん~なんて冷静なんだ!

大災害と大規模な津波に圧倒されていた日本政府は外国の同盟国や

友好関係になる国との間での協力を考える余裕がなかった。

日本では、外国政府からの支援の申し出に対する正式な

窓口は「外務省」である。

しかしながら、外務省はこの危機に関する日本政府内の意思決定

の中枢ではなく、外国の軍隊からの支援の調整を行うことにも

不慣れ。初めて遭遇した事態への対処法を、危機の渦中に学ぶのは

困難である。

・・・ふむふむ。たしかにたしかに。ですが・・・

この時の教訓があれば、もしこのような事態に次回遭遇すれば

どうすれば良いのか?・・・そのたたき台としてこのお話は

有効なテ-マなのかもしれない。

それで続きですが・・・

松本外相は、豪州政府の文民組織である「都市地域・遭難救助

機動部隊」の配備に関するラッド豪外相の申し出の受け入れを

決定した。この文民組織は日本政府が2011年2月にニュ-ジ-ランド

クライストチャ-チで発生した災害の際に派遣したものと同様の組織で

ある。そして、都市地域・遭難救助機動部隊、同部隊の装備および

救助犬を派遣するために最適な手段が、豪州国防軍のC-17輸送機

だった。

しかし、同部隊の到着は遅れる訳ですよね。

なぜかって・・・豪国防軍が、同部隊の隊員および装備を安全に

軍用機に搭載するのに不慣れだったからです。

・・・これは勉強になります。もし、日本でも同じような

組織を自衛隊が運ぶような事態になれば・・・訓練しないと

到着が遅れることになる。日々の連携訓練とコミュニケ-ションの

大切さがわかってきます。

これは自分の友人や家族、会社でも同様の事が言えると思います。

コミュニケ-ションが大切だ・・・これはわかりきっていること

ですが・・・いざという時に骨身に染みてわかってくるのでは

ないでしょうか?いざという時のために仲良くしておきたい

ものです。ふむふむ。

C-17を最大限有効に活用するには空輸活動率を上げる必要が

あり、それには適切な基地の選定、パレットによる積荷と搭載

に必要な設備、スペ-スが必要であった。

しかし日本の商業用空港は、これを備えていなかった。

このため、空軍基地の利用が議論されたがC-17は大型

空輸機であるため、航空自衛隊のすべての基地が対応可能

という訳ではなかった。しかも・・・今までC-17を

日本へ派遣したことなどなかった・・・などとも書かれて

います。

・・・ふむふむ。そうか・・・救援輸送するのに大型の

輸送機が離着陸できる滑走路なり、スペ-スが必要なのね・・・

これって・・・これからの課題ですね~。

そして初めての救援輸送活動・・・

やっぱ訓練ってとても大切なんですね・・・

話は続きます。

そこでC-17の活動拠点として横手基地が最適なのでは?

と思い、横手基地への着陸許可について外務省を協議すると

ともに、日本領空内においての活動に関する7日間の全面

許可について、外務省および国土交通省と協議した。

さらに防衛省、空幕および統幕の首席後方補給官が豪州のC-17

輸送機が被災地に向かう事、日本政府と自衛隊への支援を実施

することを了承しているのか否か、確認する手順を踏んだ。

・・・なるほど~。かなり手続きって難しいんですね~。

これって・・・緊急時にもっと簡素化できないのかな・・・

ややこしい手順で救援が遅れては意味がないですから。

もっと創意工夫してほしいですね~。

ここで豪州軍は米軍と空輸体制に統合される訳ですが、

豪州軍は米軍の輸送任務よりも日本政府の依頼を優先するするという

豪本国の優先順位を明確に示した!

・・・全く素晴らしい!ぶれない態度に尊敬してしまいます。

・・・という事で豪州軍の方のお話はまだまだ続きます。

読んでいて、スラスラと頭の中に入ってきます。

他の軍の方のお話は・・・テロ活動がどうとか、自分の国は

どれだけ活動して、金を使ったとか・・・自慢話が多くて、

勉強にはあまりなりませんでしたが、豪州の方のお話は

全く違う!レベルが違いますね~、とっても冷静で客観的です。

とても勉強になりますし、日本にとってもどんな事がネックに

なっているのか?課題は何か?第三者から見た日本の対応や

行動はどう映ったのか?様々な事を知ることができました。

とっても薄い冊子ですが、読み応え満載・・・という感じでした。

・・・という事で今回はこのへんで。