先日読み終えた本です。
西加奈子さんの『くもをさがす』
これは西加奈子さんが当初は公表するつもりのないがん経験をつづった日記です。
西加奈子さんは夫と子供と3人でカナダで暮らしていた時に、右胸にステージ2Bの浸潤性乳管がん(遺伝性乳がん)が見つかりました。
その時の死を恐れる気持ち・揺れる感情・治療法・体の状態など等が克明につづられています。
死についての思いや、乳がんについても大変勉強になったのですが、この本を読んで私が1番驚いたのは「医療体制」です。
カナダ(バンクーバー)と日本を比較してみると大変驚きました。
カナダ(バンクーバー)って病気を診てもらうだけでもとてつもなく大変なのです!
日本の医療制度は、医療費負担を低く抑え、患者が医療に容易にアクセスできるという点を重視して設計されているのが本当に実感でき、私は日本でさまざまな病気の治療が受けられて幸せだと思えました。
それに西加奈子さん、右胸だけでなく予防のために左胸も同時に切除する手術を受けたのに、カナダでは日帰りなんです。
「勘弁してよ~」って感じに思いませんか?
本当にびっくりです。
ちょっと私自身の話になりますが、私が脳内出血で倒れたのが北陸に居た時でした。(子供付帯の単身赴任生活中)
居住地の近くに「赤十字病院」があったのですが、救急車で運ばれたのがその「赤十字病院」でした。
そこには「脳卒中センター」があり、「SCU」(脳卒中の発症直後から急性期の患者の治療を行う病床)が完備され、適切な治療を行うための医師だけではなく、看護師、リハビリスタッフや薬剤師、社会福祉士など様々な職種がチームとなって患者の病状や治療方針を共有して治療にあたってくれます。
私は脳内出血を発症しましたが、この病院(センター)のおかげで希望と意欲を持って入院&リハビリを行う事が出来ました。
本当にそのことは幸運だったと思っています。
ですから、この本を読んで「日本の医療体制」の素晴らしさを再認識出来ました。
私は脳卒中ですが、実父は食道がんで亡くなっていますし、義母は乳がん→リンパ節転移で亡くなっています。
義父は膀胱がんでストーマ生活をしています。
昔よりがんは治る病気となっていますが、あまりに身近になり過ぎて怖いです。
私の腎腫瘤も腎臓がんでないことを祈っています。
CT検査は15日。
ドキドキです。