「ねえ、本当によかったの?」
「なによ今さら。・・・・・・昔みたいなわだかまりは無くなったとは言っても、近くにいるとやっぱり気まずいのよね」
「そういうものなのかなあ」
「そういうものなのよ。あなたには想像つかないかもしれないけど」
「一緒にいれば、まだ他に見えてくるものもあるんじゃないかな」
「・・・・・・まだ、そこまで穏やかな気持ちにはなれてないの」
「そう」
「それに、ちょうどいいじゃない。あなたの職場の近くに住む、ってことで納得させられたんだし。
なにも、もう戻らないって言ってる訳じゃないのよ?」
「うん」
「そんなに心配なら、ちゃんと約束するわよ。
あなたとあたし、2人で創設祭を見に来る。その時に両親にもきちんと話をする。それでいいでしょう?」
「わかった。それなら」
僕たちは輝日東を離れた。
いつか、戻ってくると誓いを立てて。
「ううっ、緊張するなあ・・・・・・」
「出勤する前からそんなにガチガチでどうするのよ!」
「とは言っても、まさか本庁勤務になるなんて思ってもいなかったからさ・・・・・・」
「一体、何をどう見込まれたのかしらね」
「本当だよ・・・・・・」
先ほどから箸がちっとも進んでいない。
人並みの緊張感はあるようだ。
「なーんてね、ちゃんとあなたが努力した結果なんだから、自信を持ってやってきなさい!
大丈夫よ。あたしが選んだ人はそんな情けない人じゃないわよね?」
「・・・・・・よし、気合い入った」
「それでこそ、よ」
「詞さんの期待に応えられかった場合のその後の方がよっぽど怖いからね」
「何か言った?」
「い、いやなんでもないよ!!」
まるでごまかすかのように、あっという間にごはんをたいらげる。
「じゃあ、行ってきまーす!」
「いってらっしゃい」
「ふう・・・やっぱり一瞬たりとも気が抜けないな」
冷や汗をハンカチで拭きながら通勤する。
すたすたすた・・・・・・
そんな、通勤途中の雑踏の中で。
(なんか、やけに姿勢が良くて目を惹く人がいるなあ・・・・・・
それに・・・・・随分整った顔をしてるなあ。これが噂のリア充ってやつか!!)
むー、と見定めているような形になる。
(でも、今の僕には詞さんがいるから僕だってリア充に違いない!
それに僕だって、この何年かでずいぶんと男が上がったじゃないか!!)
(どうも同じ方向に行くような感じだな・・・・・・負けないぞ!!)
すたすたすたすた
どうにも、変なスイッチが入ってしまったらしい。
一方。
(何か視線を感じるなあ・・・・・昔こんな視線を感じたことががあったような・・・・・)
すたすたすたすた
(・・・・・・ついて来られてる!?)
すたすたすたすたすた
(まさか変質者かなあ・・・・・・ふう、最近そういう目で見られるの、めっきり減ったと思ったんだけどな・・・・・・)
どうも、彼はそういった人種に好かれるという自覚が(決して望んではいないが)あるらしい。
すたすたすたすたすたすた!
(しかも、だんだん速くなってきてる!?
どうしようか・・・・・・僕に対してだったらまだ対処できるだろうけど、もし目的が他の人だったら・・・・・・
よし! あの角にかかったところで!)
「きええええええええええ!!」
「う、うわあああああ!?」
ぼこぉ!!
「はー、はー・・・・・・」
見事にクリーンヒット。かくして脅威は去った。
「さて、どうしたもんかな・・・・・・とりあえず連行かな・・・・・・。
年度当初からコレって、先が思いやられるなあ・・・・・・」
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お久しぶりのうぃぶれです。
今回、まさかのクロスオーバーとなっております。
ずっとネタとしては考えてたんですけどね(汗)
あ、あとタイトル前半は2話更新時に変えます、今はまだ。