2番目の夫と別れて21年が過ぎた。
別れた時の話はまた、いつか別の機会にするとして。

 四姉妹の末娘だけが彼の子供。離婚した時はまだ小学生だった。なんとか自立するまではと頑張ったけれどダメだった。
 私の心と身体が悲鳴を上げてしまった。
とにかく親の離婚で傷ついた娘が父親と会うことに関して一切、条件をつけなかった。
 それは彼女の権利だと考えたのと会わせない理由を聞くことで父親の醜い部分を知ることになる。それはあまりにも酷だと判断したためだった。

 元夫は裁判所で交わされた約束も全く守らず、父親としての責任も全く果たさないくせに父親風を吹かす本当に図々しい人だった。
 娘たちと関わらないで欲しいというのが私の本音だったが難しい年頃に差し掛かった娘のことを思い、どれほど苦しめられたか、または将来的に苦しめられる恐れがあることも言わずにいた。

 必死に働き、育て、高校で留学、卒業後そこそこ有名な大学に進んだ時もツラッとして「俺の娘は云々。」と自慢してたらしいから腹が立つ。

 大学の寮にまで行って構内を見学、娘の友人たちと交流したのには呆れた。
「お父さんらしいでしょ?」と笑顔で話す娘も大人になっていった。
娘の成長と共に離婚理由も折に触れ話すようにした。娘なりに察していたようだったけれど‥。

 歳の離れた上の娘たちは血のつながりがないだけではなく、私の苦労も見てきているので二度と会うこともなく口にすることもない。

 そんなこんなで20年経った昨年。
その元夫が肺がんで死んだ‥。