再びイヌを飼うということ by  ウィングパパ | ディアのハッピー犬ライフ & ウィングのシニア犬ライフ

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2歳目前に新しい家族になった
ディアの日々と
18歳3ヶ月で虹の翼をもらって虹の橋へ行った
ウエスティ ウィングの思い出

愛犬を失った、この喪失感から逃れる方法の一つは、
やはり、もう一度イヌを手にすることでしょう。

「他のイヌは考えられない。」
喪失感の補填に良心の呵責を感じる人もいます。

再びコンラート・ローレンツの「人イヌにあう」から引用します。

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「静かなダニューブ沿いの小径では、この音は、ほとんど
不吉な幻影といってもよいほどになった。
意識して聞こうとすると、足音も鼻息もすぐに消えたが、
私の考えが再びうつろいはじめると、すぐにもう一度それが
聞こえるように思われた。

びっこをひく亡霊イヌ、つまりブリーの亡霊が消えたのは、
その当時まだよちよち歩く子犬だったティトーが、
私の後についてくるようになったからだった。」

 コンラート・ローレンツ著 小原秀雄訳「人イヌにあう」「忠誠と死」より引用


先代次郎が14歳9ヶ月で死去したとき、私は生まれて初めて
便秘」なるものを経験しました。
「断腸の思い」で消化器がよじれたのでしょうか?

私の両親もその喪失感を3年間感じていました。


時は流れ、1995年、ウィングが我がマンションの居室に
迎えられた時は、両親も祖母(5分ほどの距離にある実家)
赤ちゃんが生まれたような喜びでした。

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こうして、全く新しい、幸せな「ウィング時代」が始まったのです。


祖母は、次の年なくなりましたが、最後の一年にウィングが
祖母に与えた幸せ感は大きかったと思います。



ローレンツの引用です。

「その魂の深みにおいて、人間との特別のつながりを支える
深い本能的感情において、イヌはおたがいに非常に良く似ている。
自分のイヌが死んだ後で、すぐに同じ品種の子犬を手に入れる
ならば、年とったイヌの友人が後に残して行った生活の中の空虚さ
をその子犬が埋めてくれることを、人は知るであろう。」
コンラート・ローレンツ著 小原秀雄訳「人イヌにあう」「忠誠と死」より引用

(前後文脈、全書を読むことをお薦めします)

ローレンツが言う
「その魂の深みにおいて、人間との特別のつながりを支える
深い本能的感情」とは、同書に書かれているイヌと人間との
かかわりの起源です。




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人と、オオカミは、集団で狩りをするという点で、
そもそも生態が似た生き物でした。おそらくオオカミの
亜種(ローレンツはジャッカル説)が,
人の野営地付近で生活するうちに、残飯をもらい、
同じ獲物を追いかけ、野獣を追い払うようになるうちに、訓化し、
人をリーダーとするようになった
というのがローレンツの見方で、以後遺伝子的な研究もかなり
されていますが、大筋では似たように考えられています。


猫や牛や馬が家畜化するのはずっと後のことで、イヌは2万年
3万年とする研究もあり)前からの心のつながりが醸成された
特別な動物だということです。
生態において似たため、「心のつくり」がサルより人に似ており、
その後の共同生活で心の結びつきが深まってきた動物、
それがイヌなのです。


イヌは死んでも、飼い主の人生は終わっていません。
新しい人生段階のパートナーを求めたとしても、
失ったイヌに背徳はないと考えても良いのではないでしょうか。


ウィングを失って100日が過ぎ、今こう感じるようになりました。

イヌを家族として愛することのできる人間にとって、
イヌのいない毎日なんて、
あまりにも味気なさ過ぎます。

この喪失の苦しみを生涯負わねばならぬほど、
私は悪いことはしていません。
私は、「イヌとの十の約束」を守れる人間です。
それは、このブログに報告してきた、ウィングの一生が
証明してくれるのではないでしょうか?

ただし、50代後半の私の場合、不摂生による、

私の寿命の問題がひっかかります。
イヌの寿命を楽勝でカバーして、あと20年、
80歳まで元気でいられるだろうか?と、
初めて真剣に自問自答しています。

妻(ウィングママ)は、私より3歳若いけれど、
本人が心配するように認知症になったら?

そして、私たちが飼えなくなった場合には
イヌの一生をどう保証したらいいのでしょう。

もし、「イヌとの十の約束」に合格なら、
イヌを失った私がもう一度イヌを飼うことは
許されてもよいのではないか、
と思うようになった今日この頃です…。

18年にわたる、
ウィングの美しい思い出をいつまでも胸にしながら。



with Wing forever


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