生活保護を申請する際、「同居している家族と世帯を分けたい」という相談は非常に多く寄せられます。
親や兄弟と同じ住所に住んでいても、家計が別であれば「世帯分離」として扱われる場合があります。

しかし、家庭訪問の対応を誤ると「同一世帯」と判断され、保護が受けられなくなることもあります。
この記事では、世帯分離が認められるための実地調査(家庭訪問)のポイントと、行政書士が同席する意味について解説します。

世帯分離とは

生活保護制度における「世帯分離」とは、同じ住所に住んでいても家計が完全に独立している場合に、別の世帯として扱うことを指します。
たとえば次のようなケースでは、世帯分離が認められることがあります。

・親子が同じ家に住んでいるが、生活費は完全に別
・兄弟と同居しているが、家計も食事も別々
・賃貸の一部屋を間借りしているだけで共同生活ではない

生活保護では、同一世帯として扱われると、世帯全体の収入で審査されてしまうため、
独立しているにもかかわらず支給が認められないことがあります。
このため、家庭訪問で「実際に別世帯であること」を正確に伝えることが重要です。

家庭訪問(実地調査)の目的

生活保護の家庭訪問は、書類や面談での説明だけでは判断できない「生活実態」を確認するために行われます。
世帯分離の認定では特に次の点を重点的に見られます。

・炊事、洗濯、冷蔵庫などの家事設備を共有していないか
・食事を一緒にとっていないか
・生活費の出所が別かどうか
・家賃や光熱費の負担が分かれているか
・郵便物、通帳、収納場所などが独立しているか

つまり、書類上だけでなく、実際の生活が「完全に分かれている」ことを確認する調査です。

よくある誤解

家庭訪問の現場でよくある誤解が「同じ屋根の下に住んでいると必ず同一世帯になる」という考え方です。
これは正確ではありません。

家計が独立していれば、同住所でも別世帯として認定される可能性があります。
逆に、形式的に部屋を分けていても、実際には家計を共有していれば同一世帯と判断されます。

この判断は、ケースワーカーの目視や聞き取り内容によって大きく左右されるため、
事前準備と当日の説明が非常に重要です。

家庭訪問での主なチェック項目

世帯分離の可否を判断するため、ケースワーカーは次のような点を確認します。

・食料品や調味料の管理(共有していないか)
・冷蔵庫やガスコンロの使用状況
・洗濯機・お風呂・トイレの使い方(共同か個別か)
・光熱費の名義と支払い方法
・郵便物の宛名や届く場所
・部屋の間取りや出入りの仕方

こうした確認をもとに、「生活実態が独立しているか」が判断されます。

行政書士が同席すれば、申請者の説明を補足し、
誤解や不利な判断を防ぐことができます。

行政書士同席のメリット

家庭訪問の場では、ちょっとした説明の違いで判断が変わることがあります。
行政書士が同席することで、次のようなサポートが可能です。

・事前に世帯分離の根拠を整理して書面化
・光熱費や家賃の支払い証明を揃えて提示
・ケースワーカーとのやり取りを記録
・質問内容を整理し、誤解を防ぐ説明を補助

訪問当日は緊張してうまく話せない方も多いため、
行政書士が立ち会うことで冷静かつ正確な説明ができます。
同席の有無で結果が変わるケースも少なくありません。

認定を受けやすくするための事前準備

家庭訪問前に次のような準備をしておくと、世帯分離の認定を受けやすくなります。

・別々に購入した食料品や調味料を確認できるようにしておく
・光熱費や家賃の支払いが分かれている証拠を揃える
・生活用品(洗濯洗剤や日用品など)が独立していることを示す
・家計簿や支払いメモを準備する

また、家庭訪問の前に行政書士が現地の状況を確認し、
どのように説明すべきかを整理することも効果的です。

家庭訪問で不安を感じたら

訪問時に「何を見られるのか」「どこまで話すべきか」と不安に感じる方も多いです。
特に家族との関係が複雑な場合や、精神的に不安定な方にとっては大きな負担となります。

行政書士に同席を依頼すれば、
・事前準備
・訪問当日の対応
・調査後の報告整理
まで一貫して支援を受けられます。

一人で対応するよりも、圧倒的に安心感があり、誤解を防ぎやすくなります。

まとめ

世帯分離の判断は、家庭訪問での説明内容や生活実態の確認によって左右されます。
同居していても、家計や生活が独立していれば分離が認められる可能性はあります。

行政書士が同席すれば、生活実態を正確に伝えることができ、
不当な判断を避けることができます。

家庭訪問の通知が届いた段階で不安を感じた方は、
訪問日までに一度専門家へご相談ください。

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