国が使途を定め地方自治体に配分する「ひも付き補助金」を自治体の裁量で使途が決められるようにする「一括交付金化」について、政府は22日、首相官邸で全国知事会など地方6団体の代表と協議する「国と地方の協議の場」を開き、2011年度からの2年間で1兆円超の規模で導入する方針を表明した。 一括交付金の名称は、「地域の自主性を確立するための戦略的交付金」(仮称)とし、近く地域主権戦略会議で正式決定する。初年度の11年度は都道府県分の5000億円程度を対象とする見込みだ。導入の際は、〈1〉府省の枠にとらわれない〈2〉国の事前関与を廃し、事後チェックを重視する〈3〉恣意(しい)性のない配分を行う〈4〉一定の範囲内で自由に事業選択する——などの基準も設ける。


 会社更生手続き中の日本航空の経営再建を支援している管財人の企業再生支援機構は22日、日航の更生計画案が、債権者による書面投票で96%以上の同意を得て可決されたと発表した。 この結果、東京地方裁判所は11月30日に日航の更生計画を認可する公算が大きくなった。日航は更生手続きを2011年3月末にも終え、裁判所の管理から離れて12年末の再上場を目指し再建を加速させる考えだ。  東京地裁は更生会社の日航、日本航空インターナショナル、ジャルキャピタルの更生計画案について、9月10日から11月19日まで債権者による投票を実施した。計画が法的に成立するには、裁判所の認可の前に債権者の過半数の同意などが必要となる。日航が整理解雇に踏み切る方針を決めたことや、追加増資で財務基盤を強化する計画などを表明したことが評価された模様だ。 今後は、機構が12月1日に3500億円を出資するほか、日航は日本政策投資銀行やみずほコーポレート銀行など主要取引銀行5行から約2800億円の新規融資を受けることでも基本合意している。金融機関による債権放棄後に残る借金(更生債権)を新たに借り換え、11年3月末までに返済することで、更生計画を完了する方針だ。  ただ、日航の一部労組は、ストライキ権の確立の是非を問う投票を実施するなど、整理解雇に強く反発している。労使間の調整に手間取れば、東京地裁による更生計画の認可の判断に影響が及ぶ恐れもある。


 大相撲九州場所9日目(22日・福岡国際センター)——「自分の相撲」を追い求める心の迷いを突かれたような苦戦だった。 離れて相撲を取るとうるさい嘉風だけに、どうしても左上手が欲しかったのだろう。立ち合い左へ変化した白鵬は、これを読まれて攻め込まれると、防戦一方に。苦し紛れのとったりでしのぐが、体勢はどんどん悪くなるばかり。腕を引き抜いた嘉風は勢い余って1回転。慌てて出てきたところを辛うじてはたき込むタイミングの相撲だった。  連勝が63で止まったショックからか、連勝時の横綱相撲が影を潜める。負けたくない思いが募って相撲が小さくなる。でも、5連覇は果たさなければならない責任感は増すばかり。土俵下で見届けた貴乃花審判長は、「受け止めるというのと、攻めるという、複雑なはざまで、もがいているような感じがするね」と白鵬の心の迷いを指摘する。  今場所は把瑠都、魁皇が元気だ。9日目を終えて白鵬と2大関が並走するのは昨年の秋場所以来。横綱が本来の相撲を取り戻さなければ、過去4場所のように簡単に賜杯に手が届く状況ではなくなる気配もある。  記録更新のプレッシャーから解放されても、負けられない宿命の中、「自分の相撲」探しが続く。(佐藤毅)