文部科学省が、朝鮮学校に高校授業料の実質無償化を適用する際に、適正な教育内容などを求める民主党の要請をどうやって実現するか、頭を悩ませている。 文科省の専門家会議は8月、各校を無償化の対象とするかどうかに関し、「具体的な教育内容は判断基準にしない」などとする案をまとめた。  民主党はこの基準案を了承したが、同時に、〈1〉朝鮮学校が反日的な思想教育を行っているという指摘がある〈2〉就学支援金が同校の生徒の授業料に使われているかどうかを確認する必要がある——ことに留意するよう求めた。  同党では、「日本が拉致問題を極大化した」などの記述がある教材を使っている朝鮮学校を無償化の対象とすることに反対意見も多く、適用条件として同省に教育内容などの「点検」を求めた形だ。  文科省は11月上旬にも基準を正式決定する予定だ。朝鮮学校も無償化の対象とする方向で、民主党の要請をどう基準に反映させるかを検討している。  教育内容については、無償化指定後に、教材の記述を改めるよう学校側に伝え、必要に応じて改善状況の報告を求める考えだ。  支援金の使途については、財務関係の書類の毎年度の提出を求めることを基準に盛り込む方針だ。重大な法令違反が発覚した場合の指定取り消し規定も、新たに盛り込むことにしている。  高木文部科学相は29日の衆院文部科学委員会で、「かなり強めの対応だ」と強調した。  しかし、教育内容の改善はあくまで「留意事項」として伝えるため、それだけでは強制力はない。改善状況の報告についても、鈴木寛副大臣は同委員会で、「自主的な報告を求める」と述べた。  朝鮮学校側が非協力的だった場合、指定取り消しなどの強い対応をとるのかどうか、難しい判断を迫られることになる。