英国滞在の最後の楽しみは、ロンドンでの「BBCプロミス」という、8週間にも及ぶ
世界最大のクラシック音楽祭の終宴を観劇することでした。
これはロイヤル・アルバート・ホールを中心に、100以上のイベントが行われるもので
実に寛いだ音楽祭です。


まずはヨー・ヨーマとシルクロード・アンサンブルの演奏会が夜10時から開催されたので
超絶技巧を大声援で楽しみました。


最終日は、超満員のロイヤル・アルバート・ホールに入りきれない代償として
広大なアルバート・パークで「プロムス・イン・ザ・パーク」が開催され、集った観衆は4万人。
夕方5時半から始まり、友人や家族同士が椅子や食料、飲物それに国旗や州の旗などを
持参して、芝生に座っては談笑したり、踊り回ったり、一緒に歌ったり。
まさにピクニックの気楽さで音楽を楽しんでいます。


夜10時までの目玉は、バリー・マニローの公演です。
それまでもBBC楽団の演奏やオペラソロ、ロック、ソウルの公演が続いてノリノリなのですが
バリー・マニローは英国魂の権化なのでしょう。大熱狂です。

 
今回は男声合唱の初公演として英国に赴き、そこで合唱はまさに国境を越えることを体験しました。
英国では合唱や歌がいかに尊ばれているかを知り、リヴァプールではビートルズの軌跡を辿る
世界中の世代を超えた人々と一緒に過ごす機会がありました。
いわばさまざまな歌、そして名曲は、世代を超え、時代を超えて、性別や年齢に関わりなく愛され
日常生活の中で受け継がれています。
歌うことがが暮らしの中に溶け込んでいて、暮らしが歌を作っていく。
歌は自然の営みであり、たしなみでした。
 
さて、「マトゥーリ男声合唱団」は、この合唱の凱旋公演を
12月14日に、東京のトッパンホールで開催します。
この機会に合唱団に入られる方(男性)を歓迎しますし、(大人)度に磨きがかかった合唱団の
声、姿を、ぜひご覧戴けたらとも思います。
リヴァプールからフェリーで2時間半。アイルランドに近いこの島は、英連邦に属していない。
人口は8万人強。首都はダグラス。
モーターバイクレースで知られるが、これほど魅力に溢れる国とは知らなかった。

この島の感動は、佐渡島を初めて訪ねたときに似ている。
孤島のイメージはなく、暮らしぶりが豊かなのも同様。それに島としての景観の多様さも。
つくづく行ってよかったと思う島であり、このような国のありようにも筋が通る。

独自の言語、通貨を持ち、立法府、行政府も存する。
外交・軍事はイギリス王室に委ねる。
だが女王には膝を屈しない(住民談)、の気概がある。
国旗のシンボルは3本の屈強な足で、さながら卍の印象。
ニシンの燻製が特産で、海産物は普通に獲れる。これも佐渡と同じなんだなあ。
帰路は、ロンドンまでマンクス航空にて。
ロンドン⇒チュニジアのBA航空より、機内食のサンドウィッチが美味しかった。

            フェリー                       リヴァプール桟橋
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       海上の風力塔に陽が沈む                  マン島港
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      数多い渓谷は観光ポイント
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       島の西Peelの古城址
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   北端 Point of Ayre 丸い小石の浜               短い夏に一気に咲く
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   すべての公道はレースに耐える                  いにしえのバイク
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      多様な電車でも有名                      南端 Port Erin駅
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    国で最も美味しいフレンチでの鴨              デセールまでやたらに大きい
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      南端 Port Erin港                         島の鳥瞰
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    リヴァプールの風力塔を上空から               リヴァプールの街
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英国は田園が豊かだと聞く。
まさに、ブリストルから第2の合唱の地レーンエンドまでも、広々とした丘陵や牧草地が続く。
悠々たる豊かな台地から、歴史を紡ぐ営みの糧が生産されている。
馬や羊、牛が散見され、人の姿は極端に少ない。
これが日本の国土の2/3の地に、日本の人口の約半数が住まう英国のありよう。

途中、「英国で最も美しい村」と呼称される南コッツウォルズのバイブリー村へ立ち寄る。
絵本から抜け出したような家並みの道を、
ゆっくり散策する機会。
清冽な小川が流れ、白鳥や鴨が多数泳ぎ、ますが棲息する。
中央にある「スワンホテル」で、その名物のますを戴く。
この澄み切った味わいと大きさは、なかなか日本でお目にかかれないのではないだろうか。

写飲食堂

やがて辿り着いたのは、まさに田園の中に建つ研修施設「カンファランス・センター」。

英国企業の幹部を対象とした宿泊研修所で、日本の役所や企業からも語学研修等で

長期に滞在している。

広々とした庭には、9ホールのコースがあり、遠くにクレー射撃の音が聞こえる。

空にはグライダーやヘリコプターが舞い、食事やバーも一流の設備。

http://www.lane-end-conferences.co.uk/  

 

こちらの社長を務められているのが、英国滞在延べ40年余の日本人女性。

この方のご厚意とご尽力で、絶好な野外コンサートが開催されることに。


野外でのコンサートは、声やピアノの音の拡散などのほか、雨、風さらに陽射しなど

への対策にも気を揉みますが、開催時は爽快な快晴。

合唱の音が消えるのではないか、という懸念も解消され、集まった聴衆の方にも喜ばれ

実に気持ちが良い公演でした。

写飲食堂

 

聴衆の方々は、椅子や飲物などを持参され、実に気軽で自由に音楽を楽しまれる。

「ソロのときに限って飛行機の音がして大変申し訳なかった」と、本当に済まなさそうに

謝られたり、とにかく楽しくてまた来て欲しい、と言われたり、前日に近くのパブで知り合った

男性陣も来ていわく、「プロの集団だったんだ!」

歌っていると、自然の音は、フォローの力にもなることを知りました。

自然や暮らしの中で歌、そして合唱は習慣になり、自由で融通がきく楽しみなのでした。

マトゥーリ男声合唱団には、男の嗜みをさらに一段と磨かせてくれた絶好の機会でした。


普段この日は重陽の節句ですが、今年09年9月9日だけは特別な日に・・・

この日、最新鋭のデジタル技術でリマスターされたThe Beatles のCDが
16枚+DVDのセット として、世界中で同時発売されたのです。
日本だけでも予約販売が100万枚とか。
英国の新聞でも、買い求める若い人の長い列が報じられていました。

この日にリヴァプールに滞在していたのは、全くの偶然ですが
リヴァプールは
ご本家の聖地であり、空港名も「リヴァプール・ジョン・レノン空港」と改称し
おかげで集客は5年で4倍!街の至る所でビートルズマニアがニンマリしています。
まして世界中でのイベント09/09/09が開かれるとあって
街にはこの到来を告げるメッセージと、4人の写真が溢れていました。

4人の生家や歌われた「ペニー・レーン」「ストロベリー・フィールズ」を巡る
派手派手な観光バス 「ザ・マジカル・ミステリー・ツアー」には、往年のマニアが
それこそ世界中から集まっています。


そして、ビートルズの歴史を辿る「ビートルズ・ストーリー」や
ジョンの魂の遍歴を飾る「ホワイト・フェザー」には、ビートルズを直接知らない
若い世代が多数訪れています。

バッハやモーツアルトなどのクラシック音楽は、新しい演奏家、指揮者
さらに解釈の登場で、
時代を超え世代を超えて、常に新鮮な音楽として演奏されます。
まさに、ビートルズはクラシックとしての地位を獲得しているように感じられます。

今回、合唱は国境を越えることを体験しました。
そして、名曲は世代を超え、時代を超えて、愛され、引き継がれていくものと確信できました。
今夜は、ロンドンで、ヨー・ヨーマとシルクロード・アンサンブルの演奏会が
夜10時から開催されます。
英国とアイルランドの中間に浮かぶ独自な自治国「マン島」から
音楽の魅力を考える機会でした。
英国を知る知人が、今が一番いい季節ではないですか、と言います。
当人にとって英国は、アフリカへの調査のときに、空港で1回トランジットしただけの身。
いわば、エトランジェ。
今回男声合唱団の公演という機会に、英国で10日間滞在することになりました。

英国というと、どうもいつも雨がちの印象があります。
今回、ヒースロー空港から専用バスで、南西部最大の都市ブリストルへ約190kmへ向かうと
到着時に、やはり雨。
しかし翌日からは、北国特有の澄みきった青空が広がり、緑深い英国の自然を堪能することとなりました。

ブリストルは、13世紀から続く運河の港町。交易で栄華を極めた都市です。
ガイドブックに「音楽と芸術の町」と記すとおり、男声合唱団だけで100を越す。
女声合唱団も約50、他に混声や子供たちなどの合唱団も多く、ことにリタイア後は
合唱が最大の名誉と伺いました。

今回、当方とジョイントした「ブリストル男声合唱団」は、それらの中でも歴史が長く、評価も高い。
実は大変驚いて、感動を深くしました。
ステージに立つ数、60数余人。その平均年齢が62歳。最高齢の方が86歳!
両杖で躰を支える方もおられます。しかしいったんステージに立つと、全身に生気が漲ります。
顔の表情が穏やかになり、柔らかくて厚い歌声が、指揮の下に溢れ出します。
歌声にももちろん、歌う力にも目を瞠らされました。

会場は市内の中心にある教会で、その手配や集客も、ブリストル男声合唱団にお任せです。
第1部と第2部に分かれ、当方たちはひたすら歌うのみ。
1部では日本語による日本の歌を5曲。2部では英語の歌を5曲歌い上げました。
日本語への反応が心配でしたが、民謡の掛け声の応酬では拍手喝采。
英語もしっかり通じて、最後には、両合唱団による合同合唱。
英語で「Danny Boy」と日本語による「遙かな友に」。
まず大成功だったのは、その後ホテルで開かれた交流会で続いた歌の応酬と
大爆笑の連続が証明したようでした。

写飲食堂