猛烈な暑さが続いた夏からようやく解放され、朝夕には涼しさが感じられるようになってきました。いよいよ食欲の秋が到来です。


 秋の味覚は魅力にあふれています。私は後志管内の旬の食材をテーマにしたワイン会を小樽市内のホテルで開こうと考えています。
 例えば、ゆり根を使ったオードブルからスタートし、地魚のブイヤベース仕立て、肉料理にはリンゴやプルーンのコンポートを添えたローストポーク、フレッシュチーズとサラダの組み合わせ。こんなイメージです。


 地元の食材を使えば地域性や旬を演出できます。それに合わせるワインを北海道産の銘柄から選ぶことにも違和感がなくなります。
 ゆり根は北海道が国内生産の95%を占める食材です。後志では真狩村が産地です。これをニセコ町や蘭越町のスパークリングワインと合わせれば、世界でもここだけの後志の味わいを楽しめます。鰍(カジカ)はナベコワシと呼ばれるほどうまいスープが取れますし、その漢字からも秋にふさわしく、後志でとれるのでワインと合わせる意外性が楽しめます。


 同じように後志の余市町や仁木町の果物を肉料理に組み合わせると、ワインの選択肢も広がります。赤ワインだけでなく、白ワインも、少し甘いワインもいけます。


 このように食材とワインで、地域性や色合い、味わいを近づける工夫をすると、洋食に限らず、和食や中華、家庭料理でもワインを楽しめます。皆さまもぜひ、北海道各地の秋の味覚とワインを楽しんでみてはいかがでしょうか。(ワインソムリエ・小樽)





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