海から聞こえる轟々と鳴る音は

風の起こした潮騒か

海岸の防砂林の松をわたる風の音か

両方入り交じる音のようでもあり




その成分を聴きわけようと

ブルゴーニュグラスにシャルドネのワインを注いで

今日も夜更けに飲んでいます




牧水の

「白玉の 歯にしみとほる秋の夜の 酒はしずかにのむべかりけり」

というのは今時分からは実にしっくりくる歌で

白玉とはもちろん日本酒を指すのですが




夏よりも心持ち温度を高くして

よく香り立つうすい翠のワインも珠のごとく味わい深いものです

エステルのかぐわしいリースリングもよいですね




私は古い詩歌が好きなので

今どきは佐藤春夫の大変有名な詩の冒頭

「あはれ秋風よ 情(こころ)あらば伝へてよ」

という言葉も繰り返し浮かんできます




「海辺の恋」もこの辺りの風景に合って

もはや十代二十代ではないだけに

たまゆらの火をついだこぼれ松葉の焔

一葉一葉に短い生命を吹き込む風の姿をたずねて

さくさくと砂を踏みしだき

夕べの海を散歩したくなります




海の風 山の風


そのものは見えないのですが


奏でる音 巻きたつ波


草を薙ぎ 幹を揺らす風を


願わくはとどめ置きたいものです




(茅ヶ崎海岸 向かいは伊豆半島)

※写真は全てサムネイルなのでクリックして拡大して見てください。




(茅ヶ崎海岸 江ノ島を望む)




(茅ヶ崎海岸 烏帽子岩左は伊豆大島)




(阿蘇高森付近 晩夏の風)




(箱根スカイライン)




(阿蘇外輪山を吹き渡る風)





(美ヶ原 白樺を揺らす風)


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