キャンティ(Chainti)は元々は山の名前でした。その丘陵地帯では古くからぶどうが栽培されワインが造られていました。
 
キャンティを造るぶどうの品種に最初の明確な指針が与えられたのは1872年です。ベッティーノ・リカーゾリ(Bettino Ricasoli) 男爵が、サンジョヴェーゼ(Sangiovese)70%、カナイオーロ(Canaiolo)15%、マルヴァジア(Malvasia)15%という割合を提案しました。マルヴァジアは白ブドウです。リカーゾリ男爵は後にイタリア王国の第二代首相を務めました。
 
キャンティは1990年代半ばまで、高い評価を受けることができるワインではありませんでした。
 
ボトルをわら(トウモロコシの皮)で包んだ「キャンティ・フィアスコ」というワインがあります。なぜこのような名前にしたのでしょうか。

 

 

 

 

 

フィアスコ(fiasco)には「失敗」という意味があります。ガラス職人が売り物にはならないガラス瓶の失敗作をfiascoと呼んだと言われます。ボトルの強度不足を補うためにわらの覆いをほどこしたワイン。「キャンティ・フィアスコ」のイメージでした。
 
「キャンティ・フィアスコ」は現在も販売されています。わらで包まれたボトルには装飾性があり、そこに目を引かれる人もいます。安価で気軽に飲めるワインです。