・1月8日(火曜日) 早く戻って来て | spica's blog

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♥水越けいこさんの作品と歌を語るフォーラム


 元旦というものは来るまでは永く感じても、その日が到来するやいなや、あっという間に過ぎ去ってしまうもの。もう七草粥さえも啜(すす)り終え、2013年は余すところ51週間しかない。

 「日々のできごと」的な叙述は不得意な筆者だが、この年末年始にかけて予期しない出来事に遭遇し、種々物思わざるを得ない状況にある。いつも筆者の好む短い楽曲へのリンクを張るトップページのメッセージ欄に、今はラフマニノフの「ヴォカリーズ」を出している。ロシア的憂愁に満ちたこの美しい曲には、現在筆者が経験しているやりきれない思いを乗せているつもりだ。

 とても敬愛していたブロガーさんが大晦日に突如擱筆した。何の前触れもなしに。猛烈な衝撃を受け、筆者はまだ完全には立ち直れないでいる。生き生きとした才気縦横の文章を書けるそのひとのブログは約10か月前に偶々知ることを得て、それがいわば運命的な出会いになった。ほぼ毎日更新されるその記事は、主題の如何にかかわらず、常に「人間 - この弱く、悲しく、時に滑稽で、一言でいえば矛盾に満ちた存在」を活写してくれていた。筆者はこの若い(と諸状況から断定できる)書き手が、さまざまな角度から光を当てて見せてくれる人間の実像の描写を毎日待ち焦がれ、心を踊らせて読み耽ったのだった。

 どんな事情で筆を折ったのか知らないが、もう一度あの目の覚めるような文章を読ませてほしい。心から願っている。

 早く戻って来てください。待っています。


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