2年前の8月。
病気がわかる二日前に、ザーザー降りの雨の中、駆け寄ってきてくれた老猫。
口内炎が悪くなって腎臓も悪くなってしまって。
2週間前に旅立ってしまった。
乳がん治療の間、ずーっとずーっとそばにいてくれた。
穏やかで優しい猫。
ホットフラッシュや不眠で私が何時に起きても、
イライラしたり泣いたりしていても、
目を開けて顔を上げて小さな声でぷにゃーと言ってゆっくりまばたきをしてくれた。
どれだけどれだけ励まされたかわからない。
から。
今度はあなたが次に進む番じゃない?って親しい人にも言ってもらった。
から。
ずーっと先延ばしにしていたタモキシフェン、飲み始めてみた。
抗がん剤→手術→放射線が終わったのが2018年の3月末。
1年以上も、気分が不安定だったり、私の拒否感が強くて再発予防に入れていなかった。
でもやっぱりがんばれない。
5日飲んだだけで、体を起こしていられないとか、指先がしびれるとか、吐き気がするとか、イライライライラして眠れなくて。
しばらくたったら副作用が強まると聞いて不安で不安で。
わかっている。
ほとんどは気のせいで、自己暗示にかかってしまっていること。
だけど、馬鹿らしいって、命と天秤にかけるようなことか?ってわかっているけれど、どうしても嫌なんだ。
これ以上、体調や感覚が変わること、毎日毎日、薬を飲む度に薬のことを考えるたびに病気を意識すること、
私はもう絶対に癌じゃなかった頃の私には戻れないという事実に毎日直面すること。
それで2日、飲み忘れがあり。
診察時にお話をしたら、先生、優しい思案顔でしばらくこちらを見て。
「元気がなくなっちゃったもんなぁ・・・」と、服薬は1ヶ月お休みに。
また1ヶ月後に相談しようねって。
もらったって飲めないのに、そう言われると、がんばれない自分が今度は情けなく思える。
再発予防は自分のためで、あのつらい治療を繰り返すのは絶対に嫌だって思うのに、
なんのためにがんばるの?長生きしてなにかいいことあるの?って思ってしまう。
飲まない理由ばかりを探してしまう。
きっとみんなも一人のときは泣いたり後悔したりしているのだと思う。
明るくイベントに参加したり、ホルモンヌって言ったりしている人だって、つらかったりがんばったりしているんだよね。
なんかもうちょっとだめだな、私。
こんなに明るく晴れた日で、窓の外からは家族がいる人たちの明るい楽しい気配や声が入ってきて。
私、なにやってんだろ・・・。
そうだ。
もしかしたら抗がん剤後の髪の毛のこと、読んでくれている人がいるかもなので。
2017年12月25日にラストケモ、
2018年6月末に脱ウィッグ、
2019年5月の今は、髪の毛は短めのボブくらいになりました。
といっても、頭頂部はまだまだ首に届かないけれど、段を入れているのかなというくらいの自然さになって。
もうコテでつかまえてクセづけできるねということでようやく先週、縮毛矯正を全体にかけました。
それまでは部分だけ矯正とか優しいおくすりでとかで、慎重に伸ばしていたので。
前髪をピンで留めたりポンパドールにできるようになったのが嬉しい。
なんか書いたらちょっとすっきりしました。
もやもや重かったのがちょびっとだけだけど。
おふろでも入ろうかな。