シェイクの系譜 | Swallowtail Beverage Unit Diary

Swallowtail Beverage Unit Diary

スワロウテイル ビバレージユニット所属執事たちが綴る日誌でございます。

お嬢様、お坊っちゃまには日ごろ我々使用人のカクテルをお楽しみ頂き御礼申し上げます。


様々な使用人のカクテル作成をご覧いただいておりますと、

それぞれのシェイカー捌きに様々な違いがあることにもお気付きかと思いますが

まさにその通り!

シェイクというものは、最初に学ぶこととなる基本形はあれど、

それぞれ修練を重ねるうちに、より美味しく、より美しくとそれぞれなりの改善を積み重ねていく結果、全く違う形になっていくものでございます。


その為、各使用人のシェイクを観察すると、それぞれの性格やカクテルを学んだ経歴が見てとれて面白いものでございます。


当家の大河内のシェイクを観察いたしますと、高い身長と長い手足を存分に使い優雅にシェイクしておりますが、過分に手を伸ばしたり大振りをすることなく、一箇所のみで安定したシェイクをいたします。


私の知る限り、カクテルを覚え始めた初期の頃は手の長さも存分に生かし

とても大きな腕の振りでストロークの長いシェイクをしていたように思いますが、

年月を重ね腕を磨くにつれ、無駄な動きを削ぎ落とし、繊細な調整を行える今のシェイクに落ち着いたのでございましょう。

‥けっして面倒がる性分が災いして省エネシェイクを行なっているわけではございません。



桐島などのシェイクはまさに豪快でございます。

本人に過度の力を使っている意識は有りますまいが、その恵まれた筋肉から繰り出される大きなシェイクはシェイカーの中身全てを強力に攪拌し、当家カクテル「バニラセーキ」のようなクリーミーなカクテルをふんわりと誰よりも美味しく仕上げてくれます。



また。若手のシェイクを見ると誰の系譜か分かるのも面白さでございますね。

少し捻りを入れて大きく振っているのは時任に教えられたシェイクでしょうし

手元に収めるように小さく鋭く振るシェイクは、きっと古谷を見習ったのでしょう。

両手を掲げて優雅に伸びやかにシェイクする大河内のシェイクや、他様々な先輩から教えられたシェイクの混合など、シェイクを見れば誰から教えられてきたか、誰を手本としているのかが見て取れて面白いものでございます。



お嬢様、お坊っちゃま。

お時間が合われましたら是非ブルームーンに足をお運び頂き、

使用人ごとのシェイクなども観察してみてくださいませ。