今回は羽瀬が提案してくれた「楊貴妃」というテーマを起点に、私なりにイメージを広げてカクテルをお作りいたしました。
オリジナルレシピの「楊貴妃」も完成度が高く、それだけでも十分美味しいのですが、それでは我々が作る意味もありません。
そこで、私なりに「花束を抱きしめた瞬間の香り」をテーマにレシピを組み立ててみました。
まずメインはクリーンな金木犀、野性味を加えるジャスミン、楊貴妃に欠かせないライチはしっとりとしたバラを思わせます。
お酒には、アクセントとしてドライフラワーを思わせるシェリー。
桂花陳酒も枯れた印象を持つお酒なので相性もいいでしょう。
また骨格にはボタニカルな香りを持つジンを使うことにしました。
最後に、フルーツジュースですが、楊貴妃に使われるグレープフルーツの他に「桃」を使うことにしました。
金木犀の香りの成分は桃とほとんど同じですので、より厚みのある花の香りを表現できました。
最後に、これらをシェークするのですが、
今回は親和性のある素材を集めたので、味わいが一体になりすぎてしまい、面白みにかける懸念がありました。
そこに、シェリーのひねた香りとジンがもたらすボディがいいアクセントになったのと、
ライチリキュールを後から加えることでマーブル状に分離して、味わいにリズムを生んでくれたように感じております。
(次回にノンアルコールレシピについてもご紹介いたします。)