繰り返し 惜しむ気持ちも 弱まって 今度の夏も 見送るだけで
童謡の ちいさい秋は いつなのか 初秋晩秋 どっちのことか
鈴虫が やっとの思いで 夜を待つ 遅い秋にも なんとか鳴いた
横風で 遠くへ行くこと 出来なくて 目指すところを しぶしぶ変える
蝉たちも 暦のことを 知ったのか 九月中旬 鳴き声消えて
秋落ち葉 風が誘って 舞出すも 同じところで 周り続ける
知らぬ間に 季節は一つ 通り過ぎ 冬の星座を 見つけてしまう
同じ木の 桜吹雪は 半年前 枯れ葉散らすも 振り向かれずに
月下美人 花よ開けと 言い続け 数えきれない 夜を重ねて
秋雨が 途切れぬ訳は 忘れえぬ 夏の想いの 熱を消すため
あの人の 瞳の中に いた私 涙こらえる 術を覚えて
夏霞 晴れて山肌 認めても 近くになったと 感じただけで
真夜中の 海に映った 月影を 波が伸ばして ここまで届く
2023.9.30まで
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