昨今、女性の仕事がだんだんと減っている、

ということをご存じでしょうか。

 

 

女性のやらなければならない仕事が減っている、

女性がラクになるんだ、よかった!

 

 

ということでは、ないのです。

 

 

そうではなくて、

女性が就くことのできるような仕事がだんだんと減っていて、

女性の職場が減っている、ということなんですね。

 

 

この、女性にとって憂慮すべき事態は、

1つには科学技術の進歩が原因になって

もたらされています。

 

 

たとえば、昨今話題のAI。

 

 

AIが職場に導入されることによって

会社における事務作業が軽減されます。

 

 

ということは、どういうことかというと、

事務職の求人が減ってしまう

ということになるわけなんですね。

 

 

それまで人手によっておこなわれていた事務作業が

AIに置き換えられていきます。

 

 

そして、事務職というのは

女性が就くことの多い職業なんですね。

 

 

AIが会社の事務作業をおこなうようになると、

その分事務職の求人が減ってしまい、

事務職に就くことの多い女性にとって

打撃になります。

 

 

この状況は女性にとっても不安なようで、

「AIが会社に導入されても、事務職のあつかう領域は

 多岐にわたっているので、そう簡単に

 AIにとってかわられるはずはない!」なんて

女性たちは言うのですが、

それは希望的観測というものです。

 

 

AIは間違いなく人間の事務作業の領域を浸食していき、

確実に女性に打撃をあたえるチャンスを

虎視眈々と狙っています。

 

 

AIがその活躍する領域を広げるにつれて、

ほかの領域でも女性を不安にさせる現象が

発生しているんですね。

 

 

たとえば、イラストレーターです。

 

 

イラストレーターは通称、絵師などとも言われて

イラストを描くことを仕事にしています。

 

 

AIがこのイラストの分野にも進出してきていて、

大量の既存のイラストデータを読み込むことにより、

簡単な文章のかたちで指示を与えるだけで

イラストレーターが描いたかのような

美麗なイラストを量産するように

なってきているんですね。

 

 

そうなってくると、

イラストの描き方なんかを全然勉強したことのない

そのへんのド素人でも

簡単にイラストを作成できるようになってしまうので、

実際のイラストレーターへの需要が激減して

イラストレーターは

おまんまの食い上げになってしまう恐れがあるんですよ。

 

 

そして、なんとも悲劇的なことには、

このイラストレーターという職業は

7対3の割合で女性のほうが多い

女性が就くことの多い職業なんですね。

 

 

ということは、AIがイラストの分野に

進出すればするほど、

女性への打撃が加わっていくということになるんです。

 

 

ほかには、翻訳業とかもそうですね。

 

 

AIの進歩によって、人間が翻訳したのと遜色ないくらいの

仕事を、AIの翻訳がするようになってきています。

 

 

最近も、法務省かどこかが

法律にかんする専門的な文書を外国人向けに

翻訳するのにAIを使用したところ、

翻訳に要する時間が劇的に短縮された

なんていう話もありましたし、

日本のコミックを外国向けに翻訳するさいに

AIを使用する取り組みがすすんでいて、

それに対してプロの翻訳家たちが抗議した

なんてことも報道されたりしていました。

 

 

つまり、AIが翻訳の分野に導入されるようになると

プロの翻訳家たちの仕事を奪うようになってくる

可能性があるんですね。

 

 

そしてここでも、

なんとも身の毛のよだつ、おそろしい話なんですが

通訳というのは8対2の割合で女性のほうが多く、

おそらくなんですが

翻訳の仕事をしているのも

女性のほうがかなり多いんですよね。

 

 

ということは、

AIが翻訳家の仕事を奪うようになると

女性が打撃を受けることになる、

ということなんですよ。

 

 

これまで見てきましたように、

会社における事務作業、そしてイラストとか翻訳とかいった

仕事の分野にAIが進出するようになってきていて、

それらの仕事に就くことの多い

女性たちが打撃を受ける構図があるわけなんですね。

 

 

AIの話をとりあげてきましたが、

科学技術の進展が女性たちに打撃をあたえるのは

AIに限ったことではないんです。

 

 

最近は、スーパーとか100均とかで

セルフレジというのを導入している店舗が

増えてきたと思いませんか?

 

 

このセルフレジは、飲食店でも多く導入される

ようになってきていて、

飲食店では注文のさいにも

QRコードを読み取ったり、タッチパネルを利用したりして

お客が自分で注文する形式になっているところが

増えてきていますよね。

 

 

ということは、

それまでそういった店舗でレジを担当したり、

あるいはお客の注文を受けたりする仕事が

だんだんと必要ではなくなってきている、

ということなんですよ。

 

 

そして、これこそが真の恐怖と言ってもいいと思うんですが、

そういった店舗でレジを担当したり

お客の注文を受けたりする仕事をしている人には、

女性が多いんですね。

 

 

ということは、科学技術の進展によって

そういった仕事が自動化されるようになり、

省人化がすすむようになると、

女性が打撃を受けるようになる、ということなんですよ。

 

 

会社での事務作業、イラストレーター、翻訳業、

レジ担当、飲食店のウェイトレス、

そういった職業についているのは女性が多く、

AIや科学技術の進歩によって

彼女たちの立場が風前の灯火になっているのです。