結婚したがらない男性が増えているようです。

 

 

2020年の国勢調査によると、

男性の生涯未婚率は28.3%にもなっていて、

これは女性の生涯未婚率を10ポイントほど上回っています。

 

 

政府の予測では、

2040年ごろに男性の生涯未婚率は29%ほどになる

ということらしいですが、

この政府の予測はずいぶんと甘いといわざるをえず、

実際には、次回の国勢調査のある2025年ごろには、

男性の生涯未婚率が30%を超えてくることも

十分に視界に入ってきているのですね。

 

 

では、そもそもどうして男性は

こんなにも結婚を嫌がるようになってしまったのでしょうか?

 

 

それについて、ちまたではいろんなことが言われています。

 

 

男性の非婚化の原因について、よく言われるのは、

家族をやしなっていくだけの十分な収入がないから、とか、

仕事がいそがしくて結婚どころではない、とか

いったものなんですね。

 

 

ただ、この理由だと、

男性は本当は結婚したがっていて、

お金とか仕事とかの理由のせいで「しかたなく」結婚をあきらめている、

というような、

そういうふうなニュアンスを感じませんか?

 

 

でも、本当にそうなのでしょうか。

 

 

男性は本当は結婚したがっている、というその大前提は、

本当に確固とした盤石なものなんでしょうか。

 

 

最近、国立社会保障人口問題研究所は、

ひとびとの結婚の意識にかんするもう1つの調査結果を

発表しました。

 

 

それによりますと、

「一生結婚するつもりはない」という強い決意をもつひとの数が、

男女とも過去最高になったらしいのですね。

 

 

そして、そのように考えるひとの割合は、

男性において少し高かったのです。

 

 

これは注目すべき調査結果だと思うんですね。

 

 

人間は先々のことまで確定的に見通すことはできないはずです。

 

 

将来の自分の収入についても、下がるかもしれませんが、

もしかしたら上がるかもしれない。

 

 

にもかかわらず、

かりに自分の将来の収入が上がったとしても、

そんなことには関係なく自分は絶対に結婚しない、

という、非常に強固な意思を持つ男性が

急速に増えているんですね。

 

 

このことは、

男性が結婚しないのは収入に不安があるからだ、

という、非常にひろく受け入れられている大前提を

揺らがせるものになります。

 

 

つまり、非常にシンプルに言ってしまうと、

男性が結婚しないのは収入に不安があるからでは必ずしもなく、

なにかほかに、結婚を非常に嫌う理由があるからだ、

ということになってくるんですね。

 

 

すなわち、男性は本当は結婚したがっている、という見方が、

かならずしも正しいものではなくて、

結婚自体の魅力が男性にとっては急速に低下している、

ということを示唆しているのです。

 

 

男性が結婚を嫌っている原因は、いったい、なんなのか。

 

 

そこを真剣に検証して対策を立てるということをしないで、

男性はただ、収入が少ないために結婚をあきらめているだけなんだ、

と決めつけてばかりいると、

いつまでたっても男性の結婚回避は解消せず、

結果として、日本における婚姻数の減少、非婚化、少子化

といったものも、

解決には向かわないのではないでしょうか。