非婚を選択するひとが、じわりじわりと増えているようです。

 

 

2020年の国勢調査によりますと、

男性の生涯未婚率は28.3%にもなりました。

 

 

また、最近発表された国立社会保障人口問題研究所の

調査結果によりますと、

一生結婚するつもりがない、と回答したひとの割合は

過去最高になっているそうです。

 

 

ひとびとが結婚しなくなることで、少子化が深刻化するなど

社会的にはいろんな問題があるでしょう。

 

 

けれども、非婚を選択した当人にとっては、

生きていくうえでの重圧から解放されて

生きやすくなる、という効果もありそうです。

 

 

たとえば、男性の場合、

結婚したらやっぱり妻や子供といった家族をやしなう責任を感じたり、

ローンを組んで家を購入したり、保険に入ったり、

家族を海外旅行に連れて行ったり、子供を留学させたり、

子供をいい学校に通わせたり、などといった、

自分1人だけのときには必要なかった責任や負担が

ふりかかってくることがあるんですよね。

 

 

それらの責任を果たすためには、当然、

それなりのお金が必要になりますから、

男性は、自分1人だけのときには必要なかったような額の

お金を稼ぐ必要に迫られることになってきます。

 

 

たとえば、

自分1人であれば年収300万くらいでも暮らしていけたのに、

妻や子供をやしなうことになると

年収600万くらいは稼ぐ必要がでてきたりするわけなんですね。

 

 

世間的に見れば、

年収300万の男性、だめなやつだなあ、

年収600万の男性、まあまあできるやつだな、

なんて印象を持たれるかもしれません。

 

 

けれど、

年収300万というのは自分1人が生きていくぶんには

十分であるのに対して、

年収600万を稼いだとしても、

結婚していればそれは妻や子供が持って行ってしまうのです。

 

 

仕事の種類はちがいますから、

かならずしも年収600万のひとの労働時間が

年収300万のひとの労働時間の2倍になっている、

とはかぎりませんが、

たくさんのお金を稼ごうと思ったら、一般的には

よりしんどい労働をしないといけないでしょう。

 

 

妻や子供をやしなわないといけない、家族を持たないといけない、

というような、一般的な価値観や競争から降りた男性は、

自分1人だけが生きていける年収300万の生活を選択することで、

時間的、精神的にゆとりをもてる、

楽な人生を歩んでいける可能性がでてきます。

 

 

ただし、

男性が年収600万を稼いでいた場合には、

男性は600万稼ぐようなしんどい仕事をして

女性はそれにおんぶにだっこで生きていけたのですが、

男性がその競争から降りて、

自分1人だけが生きていける年収300万の生活をするようになると、

女性は年収600万の男性に生活を頼ることができなくなり、

女性自身が年収300万を自分で稼ぐ必要がでてきます。

 

 

つまり、すごく簡単に言うと、

年収300万の暮らしを選択するような男性が社会に増えてくると、

男性は責任や負担から解放されてラクに人生を歩めるようになりますが、

女性はしんどい負担がふりかかってくる、ということなんですね。

 

 

これは女性にとってはマズいことです。

 

 

なので、女性と、女性を応援するマスコミなどはしきりに、

「女性が結婚相手にもとめる年収」などの特集をくんで、

男性が競争から降りないように催促しているのです。

 

 

けれど、男性の生涯未婚率はすでに28.3%にもなっていて、

今後近いうちに3割を超えてくるような気配も見せていることから、

女性の主張は男性の耳に届いていない、

馬耳東風、馬の耳に念仏、といった状況ではあるでしょう。