日本では少子化が続いています。

 

 

 

つい最近のニュースでも、

今年2022年の出生数は初めて80万人を割り込んで、

77万人になりそうだ、なんて報じられていましたよ。

 

 

 

少子化に対してなんにも対策を打たないでいると、

このままどんどん日本から子供が消えていってしまい、

労働人口も減少してしまうほか、

空き家が急増したり、国防の担い手がいなくなったりと、

さまざまな問題が噴出することが懸念されているのですね。

 

 

 

そこで政府もいろんな対策を打とうとしているのですが、

その対策のほとんどは、

 

「いま現在存在する夫婦が子育てをしやすくなったり、

 子供を産みやすくなったり」

 

するための対策なんです。

 

 

 

たとえば、

高校授業料の無償化とか、こども手当とかいったものですね。

 

 

 

でも、少子化の本当の大きな原因はなんなのか、

みなさんはご存じでしょうか?

 

 

 

じつは、少子化の大きな原因になっているのは、

すでに存在しているカップルが

あんまり子供を産み育てようとはしない、ことではないんです。

 

 

 

実際のところ、

いったん成立した夫婦がもうける子供の数というのは、

過去と比べてもあんまり変化はしていないんですね。

 

 

 

じゃあ、少子化のおおきな原因になっているのはなにか?

というと、それがじつは、

 

 

 

そもそも結婚する人間が減っている

 

 

 

ということなんです。

 

 

 

最近になって政府の中からも、

少子化の対策の一環として非婚化対策も打っていくべきなんじゃないか?

なんて声がぽつぽつでるようになってきましたが、

これまではどういうわけか、

結婚する人間がだんだんと減っているということのもつ重要な意味を、

政府はあんまり考えてこなかったようなところがあるのですね。

 

 

 

では、少子化を防ぐために非婚化の問題にも取り組んでいこう、

ということになるわけですが、

この問題、そう簡単でもないのです。

 

 

 

そもそも、結婚というのは、

両性の合意のみによって成立するものですよね。

 

 

 

簡単にいうと、

男性が結婚したいと思い、女性も結婚したいと思ったときだけ、

結婚は成立するということです。

 

 

 

じゃあ、結婚が成立しない場合というのはどういう場合かというと、

男性が結婚したくないと思い、女性も結婚したくないと思ったときだけ

結婚は成立しない、

 

 

というわけではないのです。

 

 

あたりまえのことですが、

男性は結婚したいと思っているが女性は結婚したいとは思っていない場合も、

女性は結婚したいと思っているが男性は結婚したいとは思っていない場合も、

やっぱり結婚は成立しないのです。

 

 

 

両性の合意がある場合に結婚は成立する、というのは、

「両方とも結婚したいと思っている場合だけ」結婚は成立する、

という意味ですよね。

 

 

 

ということは当然、

どちらかいっぽうでも結婚に否定的な考えを持っていたら、

もう片方がどんなに結婚したがっても結婚は成立しない、

ということになってしまうのです。

 

 

 

男性は結婚したい、女性も結婚したい→結婚成立

男性は結婚したい、女性はしたくない→不成立

男性は結婚したくない、女性はしたい→不成立

男性は結婚したくない、女性もしたくない→不成立

というわけなんです。

 

 

 

こうして見てみると、

結婚が無事に成立する場合というのは、

意外と少ないことがわかりますね。

 

 

 

そして、ここが重要なところなのですが、

結婚というのはどちらか一方でも否定的な考えを抱けば

成立しにくくなる、

ということは、けっこう大きな意味をもってくるのです。

 

 

 

たとえば、司法制度や行政制度において、

結婚した場合に男性が得をするような制度を構築したとしましょう。

 

 

 

この場合、

得をする男性は結婚に乗り気になり結婚したがるでしょうが、

損をすることになる女性は結婚に否定的な考えを持つようになります。

 

 

 

結果として、

一方当事者である女性が結婚に否定的になったことが響いて、

この場合、結婚は成立しにくくなります。

 

 

 

反対に、司法制度や行政制度において、

結婚した場合に女性が得をするような制度を構築した場合はどうでしょうか?

 

 

 

この場合、

得をする女性は結婚に乗り気になり結婚したがるでしょうが、

損をすることになる男性は結婚に否定的な考えを持つようになります。

 

 

 

結果として、

一方当事者である男性が結婚に否定的になったことが響いて、

この場合も、結婚は成立しにくくなります。

 

 

 

マスメディアが、

結婚したら男性は幸福になるけど女性は不幸になるぞ~、

なんて情報を流し続けたら、

男性は喜んで結婚したがるでしょうが、

女性は結婚を避けるようになるでしょう。

 

 

 

反対に、マスメディアが、

結婚したら女性は幸福になるけど男性は不幸になるぞ~、

なんて情報を流し続けたら、

女性は喜んで結婚したがるでしょうが、

男性は結婚を避けるようになるでしょう。

 

 

 

先にも述べたように、結婚というのは、

どちらが否定的な感情を抱いても、成立しにくくなるのです。

 

 

 

ということは、

司法制度や行政制度がいっぽうだけに味方するとか、

マスメディアがいっぽうだけの肩を持った報道をするとかすれば、

味方をしてもらったほうは気分がいいでしょうが、

邪険にされたほうは反感を持つようになり、

その邪険にされたほうが結婚に参入してこなくなるので、

長い目で見るとだんだん、だんだんと

結婚が減ってくることになってしまうのですね。

 

 

 

結婚は、どちらか一方が不満をもつようになると成立しにくくなる、

という事実を考えるならば、

司法制度や行政制度、そしてマスメディアの報道姿勢において、

男性か女性のどちらかいっぽうに偏ることのない公平な姿勢が

非常に重要になってくると言えると思います。