号泣はしたものの、最後は晴れやかな気持ちになり、また前を向いて生きていこうという気になれました。苦しくつらい場面も多いですが、テンポよく話が進み本当にあっという間に引き込まれてしまいます。役者さんたちの演技が本当にうまい。全員すばらしいですが、私は特に、應思聰の姉役のペイチー・ツェン(曾沛慈)さんの演技がすごかったと思いました。
歌手として活躍されているのは知っていましたが、彼女の演技をちゃんと見たのはこのドラマが実は初めて。台湾の人材の豊かさ、おそるべし。台湾で活躍すると中国に拠点を移し、あまりお目にかかれなくなる芸能人の方も多いけど、次から次に人材が発掘されスターが生まれてくるのだから、それでもいいのかも。
しかし何といっても一番素晴らしいのは呂蒔媛さんの脚本ですよね。こういう脚本が生まれるのも台湾ならでは、という気もします。犯罪の加害者、加害者の家族、被害者、被害者の家族、加害者を弁護する弁護士とその家族、精神疾患者とその家族、精神科の医師、カウンセラー、メディアで働く人々、犯罪者や精神疾患者を憎む世間、恐れる人々・・・。これらのすべての当事者の視点が描かれている(少なくとも寄り添っている)ドラマがこれまであったでしょうか。
もちろん当事者でなければ本当のところはわからないし、事実も真実も一つだけではないでしょうが、少なくとも自分とは異なる立場の人々の気持ちを、行動の背景を、理由を、考えてみることが考えてみようとすることが大切なのではないかと思わされるドラマです。
そしてテーマが重くてつらいのに、何度でも見れる、何度見ても元気になれる数少ないドラマの一つになりそうです。
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