※2017年記事のリライト。やっと悩みが解決しました。
『圖解 閩南語概論』(五南出版/陳筱琪)で悩み解決
台湾語の発音の地域差や年齢差の問題には頭を悩ませ続けてきましたが、この夏台湾で購入した参考書『圖解 閩南語概論』(五南出版/陳筱琪)のお陰で、かなーりスッキリしました! いやー、これ、めちゃめちゃ分かりやすい!!
日本で出されている辞書やテキストに書かれている「台北方言音」や「台南方言音」がいったい何を表すのかわからな過ぎて苦しかった日々。一つには、テキストの発音と台湾語の先生の発音が違うというのが苦悩の大きな原因だった。テキストには台北方言音を採用してると書いてあるのに、台北出身の先生の発音といちいちくい違っているのはなぜなのか。
それが『圖解 閩南語概論』に書かれている「臺灣普通腔(台湾普通音)」という概念を以てすれば、いやいやものすごくスッキリするではありませんか!
「臺灣普通腔(台湾普通音)」という考え方
もちろん今でも地域差、年齢差、個人差、等による違いはありますが、やっぱり長年の言語接触による融合、競合、変化を経て台湾で普く通じる共通音「台湾普通音」と言えるようなバリエーションが生まれているんですね。絶対そうだと思ってた。
「台湾普通音」はある部分は「漳州音」(台南系はこっちに近いとされている)、ある部分は「泉州音」(台北系が近いとされている)だけど、全体的には「漳州音」系に傾いているのだそう。
そして本書で「台湾普通音」と整理されている発音と、私の台湾語の先生(台北出身の台湾朋友)の発音が見事に近い。これがもう、本当にスッキリして気分がいいです!
「台湾普通音」の特徴
「台湾普通音」の特徴を子音、母音、声調の三つの方面からざっくりまとめると次の通り。
①「j」と「l」の対立では泉州系の「l」が勝利し今は圧倒的に「l」が優勢。例→「日本」は「Li̍t-pún」。
②逆に母音の「i」と「u」、「e」と「ue」等の対立ではほぼ漳州系が勝利。例→「過」は「kòe」、「鶏」は「ke」。
③5声は7声に変調する
で詳しくは次回に…