李安の映画は元々好きで、台湾フリークになる前から見ていた。ハリウッドのも含めて多分全部見ている。それから、楊德昌(エドワード・ヤン)の映画も。長いのにちっとも長さを感じさせないテンポのよさで、台湾にはまる前から大好きだった。
が、私がしっかりと「台湾」を意識して見た初めての映画は、『悲情城市』である。そう、台湾ニューシネマの旗手、台湾映画の巨匠、侯孝賢。彼の手による台湾映画界のエポックメイキング的映画である。
14、5年前、台湾研究の専門家である先生の研究室で今も親しい台湾朋友BちゃんとEさんと私の4人で見た。
『悲情城市』は1989年、まだ台湾の戒厳令が解かれて間もない頃台湾での公開より前にヴェネツィア映画祭でグランプリを取った作品。長い間タブーとされていた228事件(1947年)を扱うという、当時の台湾社会にとって本当に衝撃的な映画だった。検閲すれすれの編集だったが台湾でも大ヒット、台湾映画界における侯孝賢監督の地位を不動のものにした。
夜のその研究室で、先生と私、そして台湾人のBちゃんとEさん。悲しみの街台湾の歴史についていろいろと話をした。そのときからもっと深く台湾を知りたいと、学び始めることになったのだから、『悲情城市』は本当に私にとって大切な映画である。
その後DVDを買って何度も何度も見た。侯孝賢監督の他の作品も、貪るように見た。
ということで台湾で買ってまいりました。これ↓