長白山のおもひで | 台湾華語と台湾語、 ときどき台湾ひとり旅

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長白山、それは中国東北部、北朝鮮との国境に聳える山である。

中国留学を終えた夏休み、仲良しグループ(日本人3人、韓国人1人)で、中国東北部へのフェアウェルトリップをした。貧乏バックパックの旅である。

長春、ハルピン、瀋陽、そして延吉。寝台列車に乗り、着いた先で現地の地図を買い、最寄りの大学を見つけてそこの「招待所」に泊めてもらう。かなーり前のことなので詳しいことは忘れたが、留学生は一泊1,000円もしなかったと思う。

韓国男子Yくんがどうしても長白山に登りたいと言うので日本人のわたしたちも付き合った。麓の町に2泊して2日目に登山。車を一台チャーターするために、韓国人のマスターがやっている喫茶店みたいなとこに行き手配を依頼。Yくんとマスターの会話はすべて韓国語で私たちはもう完全におまかせ。「バッチリだよ」というYくんの言葉を信じて翌日出発すると・・・。

チャーターしたはずの車が何度も何度も停車して、その度に大荷物のおばちゃんが「よっこらしょ」と乗り込んでくる。あり?チャーターしたんじゃなかったの?とYくんに尋ねても「ぼくもそのつもりだったんだけど・・・」と困った顔。

代金は詳しくは忘れたけどけっこう払った。貧乏旅行でハードな旅が続いていたので、久しぶりにのんびりゆっくりチャーターワゴンでピクニック!と楽しみにしていたのだが行商のおばちゃんみたいな人たちは、これでもか、これでもか、と乗ってくる。

完全にふつうの乗合バス化したワゴンで仕方なく長白山を目指す若者4人組であった。

山を下り、町にもどって、の夕方。Yくんが「納得できないからマスターに文句言いに行く」というのでわたしもつきあった。

でも、おとなしくてめっちゃ優しいYくんと、おとなしくはないが、争い事が苦手でヘタレなたまりが百戦錬磨のマスターに勝てるはずもなく。結局言いくるめられてスゴスゴ帰ってくるしかなかった。

でも、「おとなしくてめっちゃ優しい」なりにYくんがすごくがんばってくれたのがわかったし、「イケメンが私の知らない言葉(韓国語)を流暢に操る」という(そう、韓国男子Yくんはイケメンだった。)、それは個人的に最もツボなシチュエーションであった。

長白山の頂上には「天池」と呼ばれる池がありそれはもう美しかった・・・はずなのであるが、その辺の美しい記憶は遠くに消え去り、この、乗合バス化したチャーターワゴンと、それにまつわる甘酸っぱいおもひでだけがいまだに深く胸に刻まれている…。