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【スウェーデンのお茶室が教えてくれたこと③】
〜国際交流は双方向のコミュニケーション〜
2013年から関わり始めたスウェーデンのお茶室「瑞暉亭ZUI-KI-TEI」。
2015年に修復工事を終えて帰国した直後、乳がんのために左胸を全摘出することになった。59歳。肉体的にも、精神的にも苦しい時期を越え、60歳から「生き直す!」と決めて、しばらく「瑞暉亭」から離れることにした。
けれど、どこへ行っても、スウェーデンとの出会いがあり、逃げても、逃げても、「スウェーデンのお茶室のことをやれ!」というサインがやってくる・・
私は、何度も逃げては戻りを繰り返して、ようやく観念した。
今後は自分の人生を犠牲にしないかたちで、自分の人生をより豊かにするために「瑞暉亭」に関わっていこう、という気持ちになっていった。
私は「瑞暉亭」の活動を通して、日本の文化を見直し、日本文化の素晴らしさを発信していこう、という気持ちになった。
と同時に、私がスウェーデンのライフスタイルに触れたことにより、精神的な自立、自分の幸せに責任を持つ、ということの大切さを伝える必要性も感じていった。
「自分で自分を幸せにできる」
ということ
「自分の感情を扱える」
ということ
「人のせいにしない」
ということ
「どんな自分も否定せず、受容する」
ということ
まずは
「小さな幸せ」を自分に与えることから始めよう!
と「幸せの土台づくり」「自分をおもてなし」などを伝えるようになっていった。
日本文化について発信し、スウェーデンのライフスタイルから学んだことを伝えていく・・
そして最後に行き着いたのは
国際交流とは双方向のコミュニケーションである、ということだった。
異文化において、自国の文化を伝えるためには、まずは異文化を知らなければならない。
異文化を知ることで、自国の文化をより深く知ることになり、自国の文化を深く知ることで、異文化をさらに深く理解できるようになる・・
それはまるで
人と人との関係と同じ。
他者と触れ合うことで
様々な感情が湧き、それによって自分の心の深いところの想いに触れる。
自分を深く知ることで、他者の心も深く理解できる・・
双方向のコミュニケーションは、個人間においてはもちろん、異文化間においても大切なものなのだなぁと肚落ちした。
日本とスウェーデンの文化を深く知っていくと、様々な共通点が浮かび上がる。
どちらの国も(おそらく世界中どこの国も)、太陽の周期がそれぞれの文化のベースになっている、ということに気づかされた。
日本は、四季の変化を楽しみ、それをベースに様々な習慣が出来てきた。
スウェーデンは、長く暗い冬を経て短い夏を迎える。だからこそ、夏を楽しみ、太陽の光をたっぷりと浴びる・・そのための長い夏休みなのだ、と理解するようになった。
スウェーデンのフィーカ(FIKAコーヒータイム)も、日本の茶の湯も、どちらも雑事から離れて人との交流とお茶を愉しむという文化。
スウェーデンと触れ合い始めた当初は大きな違いを感じていた文化が、ともに地球上に生きる人間なのだと感じるようになり、共通点を見い出すようになっていった。
他国から学ぶばかりではなく
自国の文化や物を売り込むばかりではなく
双方向の交流でありたい。
そして今は、双方向のコミュニケーションをさらに進化させて、両国の文化を統合し、新たな何かを生み出せないか?と考えるようになっている。
さらには
陽の文化と思える西洋の文化。
陰の文化と感じる東洋の文化。
その陰陽を統合させた、新しい何かを生み出すことを夢見ている。
他者と触れ合うことで
自分を知り
自分を深く知ることで
他者を深く理解できる。
それと同じく
異文化と触れ合うことで
自国の文化を知り
自国の文化を深く知ることで
異文化を深く理解できる。
国際交流は双方向ということを
頭の片隅において
異文化に触れる。
そして
先進国、後進国などの上下をつけず
対等な関係で学び合う姿勢を持つ。
多くの本物の国際人が
現れることを願いながら
スウェーデンのお茶室
「瑞暉亭ZUI-KI-TEI」が教えてくれたことを発信していこうと思っている。
〜終わり〜
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