- 迷宮レストラン―クレオパトラから樋口一葉まで/河合 真理
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人気料理研究家のお子さんは、後を継ぐようには育てられは
しなかったかもしれないが、同じお料理の道に進む方がとても多い。
ケンタロウさんは、いまではお母様を追い越すくらいの
大活躍ぶり。
この本を書いた河合真理さんは、和食の料理研究で第一人者だった
故・阿部なをさんのお孫さん。
お祖母さまに師事され、レシピ発表だけではなく企業と提携して
フード・プランニングも手がけていらっしゃるという。
この本の趣向は古今東西の有名人たちを、空想のおもてなしの食卓に招いて
当時の料理も参考にしながら、メニューが組み立ててみようというもの。
レシピの作成は調理法の復元や当時の食材をきちんと調べた上でのことなので、
巻末に記載されている参考文献は大変な数にのぼる。
おそよひとりあたり、10冊程度の文献をあたっている。
歴史考証は、興味のつきない世界。
とりわけ、食は、本当に興味深い。
実際のレシピは書かれているが、ほとんどが「スローフード」なので
再現するには、作る人の気合いと熱意も試されそう。
写真を見て想像する味わいは、その歴史上の有名人と分け合う美味
といった感があり、楽しい。
また、イラストを担当された、古谷亜見子さんのお仕事が素敵。
一番気に入ったのは、文豪シェイクスピアのための食卓。
和食は、樋口一葉のための献立。
No.11 シェイクスピアのためのメニューから
ブラウン・エール
りんごとアーモンド・ミルクのスープ サフラン風味
鹿肉の赤ワイン煮
そら豆のピュレ
フルーツのフリッターとマジパン
当時は、固くなったパンをお皿のかわりに敷いて、料理を盛り付けていたとか。
手づかみで食べることが多く、汚れた手も、このパンで拭いていたらしい。
No.24 樋口一葉のための献立から
甲斐の銘酒
梅干しと山葵と花鰹の吸い物
鰹のたたき、黒コショウ風味
鰻豆腐
葡萄の胡麻和え
さつま芋のおこわ 山帰来の葉包み
お汁粉
一葉の小説に出てくる食べ物の記述は、登場人物のキャラクターを
効果的にあらわすひとつの小道具になっているといわれています。
最後のあとがきの一部
「祖母であり、師であった阿部なをは、『料理は無言の会話だ』という
言葉を私にのこしてくれました」。
こんな教えを胸に料理のお仕事を継いでいらっしゃるのは
すばらしいことだなと感動した。
おまけ
ベジタリアンだったレオナルド・ダ・ヴィンチ。
動物愛護の精神からということで、
卵や蜂蜜も一切口にはしなかったらしい。
知りませんでした。へぇえええ
彼の食に対する一言は、まるで養生訓。
『食べたくないのに食べるな。
食事は軽く、よく噛め。
食べ物はよく煮る。
腹を立てるな。
澄んだ空気を吸え。
ワインは適度に少しずつ、何回も分けて飲め。
食事は定期的に摂れ。
空腹を抱えているな。』 ダ・ヴィンチの手記から。