59672(旧根室本線新内駅跡) | 海水浴特急【全国保存蒸気機関車めぐり】

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全国各地470余りの保存蒸気機関車を訪ねています。現在の訪問数450機です。

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道央の保存蒸気機関車めぐり、20機目は旧根室本線新内駅跡に保存されている59672です。


59672
1922-5月:川崎造船所兵庫製番774 配属東京局配置不明
1931-1月:池田区
1967-3月:帯広運転区
1975-6月:廃車
1978-5月:狩勝高原SLホテルとして保存・営業(59672+20系寝台車3輌)
1998年:SLホテル営業廃止、車両は継続保存 
2008年9月:旧狩勝線生誕101周年の日にエコトロッコ開業、2014年10月25日乗車人数が5万人目達成


今回の保存蒸気機関車めぐりでは、その保存環境に驚かされることたびたびだったのですが、この59672も、まさに驚きの環境でした。

59672の保存されている根室本線(旧線)の新内駅の開通は1907(明治40)年と古く、北海道の東西を分ける狩勝峠(標高644m)の直下を越えていました。この区間の線路は最大勾配25パーミルと最小半径179mの急曲線の難所でもあり、この難所が生み出した、十勝平野を一望できる車窓風景は日本三大車窓のひとつに数えられたほどです。しかし路線切替による廃止は1966(昭和41)年と他の北海道廃止路線の国鉄末期よりも古く、廃止後かなりの時間が経過しています。59672も廃線時にここに留置かれたものではなく、10年後のSLホテル開業時に運ばれたものです。

SLホテルということで、59672のほか「ナハネ20132+ナロネ21551+ナロネ22153」の20系寝台客車3輌が設置されました。開業20年でSLホテルは廃止されてしまいましたが、16年後の現在も59672のブルートレイン編成を見ることができます。各地に設置されたSLホテルも今ではそのほとんどが廃止され、車両が解体されてしまったものも少なくありません。しかしここは再びこの地を活性化させようと、6年前保線用軌道自転車でのレール走行楽しむ施設「エコトロッコ」が開業し、週末を中心に多くの人たちが訪れています。

訪問したのは9月の第1日曜日、夏休みの延長といった感じでひっきりなしにエコトロッコ目的のお客様が来場されていました。私も乗ってみましたが、自転車とはいえレールのジョイント音が聞こえてくる様は、本物の鉄道そのものです。信号機、踏切なども設置され、運行管理は本格的です(笑)これは子供たちから大人まで楽しめるでしょう。

59672はこの場所のシンボルとして20系客車とともに保存されています。露天ということで機関車の状態はあまり良くありませんでしたが、ブルートレインを従える様は威風堂々としています。エコトロッコの受付・売店にはたくさんの写真や資料があり、私もこの59672が運ばれた時の写真を見せてもらいました。こうやってここに鉄道があったことを、末永く後世に伝えていかれることでしょう。


※2014年9月7日訪問
※2014年訪問数 84機
※累計訪問数  345機