EMを活用した水処理事例。市が浄化効果、安全性と経済性を高く評価 | EM(有用微生物)の力で子供達に未来を!

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うるま市ホームページより
http://www.library.city.uruma.lg.jp/2/1976.html

 E M 浄 化 法  
沖縄県は水事情が悪く、よく断水が起こるので、水源の確保の必要性に迫られ、1991年に新築開館の具志川市立図書館では、基本設計の当初段階から雨水利用を考えていました。建物地下の貯水タンクに250トンが貯まるようにし、二重配管や散水栓などを設置して、活用しやすいようにしました。
ところが、雨が降らないとこのシステムは利用できませんので、水源の確保の点からは、充分ではありませんでした。
そこで、琉球大学の比嘉照夫教授の発見した有用微生物群EMによる水処理「EM浄化法」を比嘉先生の指導により、中水道利用システムの水源として採用することになった訳です。



1.うるま市立図書館における浄化システム


システム概要
本図書館における浄化システムは、従来からある一般的な合併処理浄化槽であり、図書館の規模と用途に合致したもので、活性汚泥法による長時間曝気方式を採用しています。
この浄化槽にEMを投入し、処理された水を砂濾過を通し、一旦地下の貯水タンクに貯留しておき、高架水槽に揚げ飲み水以外の用水として使用しています。すなわち、トイレからのし尿だけでなく、手洗い水や湯沸し室の排水なども併せて処理をし、リサイクルしているのです。

従来方式との違い

これまでの好気性菌を主体にした活性汚泥法では、溶存酸素を上げるために長時間曝気をする必要がありましたが、この新しいEM浄化法では、嫌気性微生物を主体にしたEMを投入するだけで特別に装置をいじることもなく、1日のうち間けつ的に曝気を5回行い、合計2時間で充分です。

EMの投入量について

1991年2月に、汚水が流入してくる沈砂槽や原水貯槽、調整槽にEMを14リットル投入しました。内訳は、EM4号を10リットル、2号を2リットル、3号を2リットルで合計14リットルである。但し本図書館の場合は、開館2ヶ月前で利用者が少ないため、約半分を目途に投入しました。
その後のEM投入量は、3ヶ月毎に3リットルづつを、すなわち年12リットルを投入しているだけです。(EM4号を2 リットル、2号を0.5リットル、EM3号を0.5リットルを1回毎に投入。)


2.EMによる汚水処理効果


汚泥が発生しにくい
曝気槽で測るSV値は平均5パーセントです。(SV値とは、汚泥を30分沈降試験で計った量のことで通常50ないし60パーセントです。)このことは、汚泥が発生しにくい状況を示しています。

水質について

本浄化槽の放流水質の規制値は、BOD(生物化学的酸素要求量)20ppm、SS50ppm(浮遊物質)ですが、 EM投入3ヶ月後の水質は、表ー1の通りです。
大腸菌についてほとんど検出されることはありませんので、EMの大腸菌に対する抑制効果は、非常に大きいことが確認されています。



    表ー1 原水と処理水との比較 (1991年5月14日採取)
  原 水 EM処理水 EM処理+砂濾過水
試料採取時間 10:55 11:00 11:00
pH 7.0 7.2 7.3
SS(MG/1) 84.0 1.8 <1.0
BOD(㎎/1) 80.0 3.9 1.6



窒素、燐の除去について
閉鎖系の湖沼などの富栄養化現象の元になっている窒素や燐の除去は、非常に困難な問題でありますが、本図書館のこのEM浄化法では、75パーセント以上の除去率であることが確認されています。
EMにより有機物の分解が進み、窒素(N)は空中にN2として放出され、燐(P)は微生物の菌体に取り込まれているのではないかと言われています。



    表 ー 2   ( 単 位 : ㎎/㍑ )
採 取 年 月 日 T - N T - P
原  水 放 流 水 原  水 放 流 水
平 成 3 年 11 月 67.0 19.5 8.25 2.00
平 成 6 年  4 月 64.0 8.20 3.95 1.01



3.経済性と安全性


水資源の限定されている地域において、水のリサイクルは重要な課題でありますが、経済性を考慮したシステムを構築しないと、実用化できるものではありません。
本図書館の水道料金は、平成3年度当初予算で120万円計上し、実際に支払った金額は月額5千円、年額6万円で、当初予算の20分の1でした。現在(平成15年度)は、年額7万5千円の予算計上となっています。

ランニングコスト
EM投入量12リットルのコストは、約3万円です。そして、本来連続曝気運転すべきモーターは1日2時間の運転であり、12分の1の節電になります。モーターの寿命は倍以上に伸びることが予想されます。

安全性について

EM浄化法では、ほとんど大腸菌は検出されないため、放流水は安心して使用することが可能と考えられます。
そもそもEMは、食品加工にも使えるよい菌だけを使用しています。さらに、EMが有機物を分解する過程で創り出すアミノ酸や有機酸のほかに抗酸化物質がありますが、この抗酸化物質は金属等の劣化防止効果もあり、設備機器の耐用年数が大幅に伸びることが予想されます。また、本図書館の合併処理浄化槽は、特に改良などは行っておらず、処理水を地下貯水タンクへ送るための配管やポンプ等の工事費のみの投資で済みます。



4.処理水の利用


EM処理水は、飲み水やトイレの手洗い用水以外に利用していますが、臭いがほとんど発生せず、また便器を掃除する時間が短縮できます。図書館の周りの樹木や草花への灌水にも、この処理水を使用し、また窓ガラスの洗浄や公用車の洗車にもこの処理水を利用しています。水切りが良くて錆も発生しにくく、車のガラス洗浄液にも活用しています。
本図書館は、市民がよく利用する1階及び2階は全てカーペット敷きありますが、そのカーペットの洗浄にEM処理水を活用しています。水切り後に陰干しをするのですが、臭いやカビは一切ありません。ダニなどの害虫もほとんど発生していません


5.雨水のとの希釈について

屋根に降る雨水は、砂利だけの簡単な濾過装置で通した後、地下の貯留槽に導いています。ここでEM処理水とブレンドされます。
希釈効果も考えて雨水利用は設計されました。



EMについて

EMとは、発見者である琉球大学農学部比嘉照夫教授が名付けた造語で、英語の「有用」(Effective)と「微生物」(Micro-Organisms)を組み合わせた「有用微生物群」の略称です。
その中身は、蘇生型の方向性を持つ微生物で、これを集め応用した技術が、「EM技術」です。
現在、わが国の土壌の大半は腐敗型といわれ、EMはこのような土壌を蘇生の方向へ転換させる力を持ち、これを利用した無農薬・無化学肥料の農法では、米・野菜・果物の驚異的収穫例が多数報告されています。また、生ゴミの堆肥化、汚水の浄化、排泄物処理等でも画期的効果が実証され、食料・環境・医療・工業等各分野において、幅広いEM技術の活用が期待されています。