AXISが完成したことで、以前のシステムで必要だった伝票整理の作業も不要となった。iPadで入力した情報はFileMaker Server上でリアルタイムに共有される。伝票整理に必要だった時間が不要になり、残業も大幅に減ったとのことだ。また、時間に余裕ができた分は接客に回れるので、顧客を待たせることが減り、顧客満足度向上にも寄与しているという。
そして、顧客が選んだ衣装を在庫から引き当てるのもリアルタイムに行われる。アクア・グラツィエが保有する、着数ベースで万単位にも及ぶレンタル衣装の在庫には、一つひとつにはクリーニングにも耐える衣類用FRIDタグが縫い付けてあり、それを利用してリアルタイムに在庫を管理することが可能だ。この在庫情報と顧客情報を連動させ、在庫数を半減できたという。
一方、AXISの今後について岩佐氏は、システムのパフォーマンスが課題になってくると語る。FileMaker Goのクライアント百数十台という運用はあまり例がなく、システム的には負荷が大きいのだという。
「写真だけでも数ギガバイトに達していますし、トランザクションデータは日々数10メガバイト単位で増加します。ハードウェアのチューニングや、ネットワークの強化、データベースの設計を工夫することで何とか業務に使えるレベルのレスポンスを実現していますが、もう少し改善したいです。新しいFileMaker Server 12ではパフォーマンス改善に加え、FileMaker Goのクライアントライセンスも無料ということなので、アップグレードを検討しています。さらに将来的には、カスタムWeb公開機能を顧客向けのセルフサービスサイトを運用することも考えられますね。式の日付に応じて、その日の在庫状況から確実に提供できる具体的な商品をレコメンデーションに出すなど、いろいろな実装ができそうです」
また三浦氏は、AXISのさらなる使いこなしを考えている。例えば顧客の来店時間帯や曜日などの分析を行って効率的な人員配置に役立てるといった案もあるとのことだが、最も重視しているのは接客スタッフと顧客との、人間としてのコミュニケーションだ。
「お客様と接する際に感じるのは、IT化で利便性を得た一方、人間的なコミュニケーション能力を失いつつあるのではないかという点です。我々が販売しているのはサービス、すなわち満足感あるいは夢といった形のない存在ですから、接客応対は非常に重要な要素。AXISを発展させ、より使いこなすことで、スタッフの人間的コミュニケーション能力を引き出し、補っていくようなツールにしていきたいですね」
店頭で利用している様子