さて前回の「①立式が遅い」に引き続き,今回は「②立式が下手」について説明しましょう。
ここでは,問題集「化学重要問題集」の中の69番の気体の問題を使っていきます。
手元にある方は,まず問題を見るか解いてみて下さい。
この問題は1リットルの容器に入ったエタンと,2リットルの容器に入った酸素をコックを開け混合する問題で,
まず(ア)で混合する前のエタンの圧力を求め,(イ)で混合した段階でのエタンの分圧を求めるのであるが,
あまり良くない解答は,
まず混合気体全体の全圧を求めて,その後モル分率を用いてエタンの分圧を求めるといった方法である。
この方法でも答えは出て一見よさそうではあるが,入門レベルの解答と言える。
たとえて言うなら,東京から名古屋に行くのに,いったん大阪まで行ってまた名古屋に戻ってくるようなものである。
エタンの分圧を求めるのであれば,酸素を無視して,エタンだけで体積が3リットルとして気体の状態方程式を作ればよく,問題集の解答もこうなっている。
しかし,さらに良い解答は,
コック開け気体が拡散すると言うことは,体積が3倍になるので,(イ)の混合した段階でのエタンの分圧は,(ア)の混合する前のエタンの圧力の1/3になるだけと考えた方が良い。
さすがの問題集の解答も,紙面の都合上かここまでは書いてはいない。
このように立式がうまくなると,計算の手間も省け,ミスをする頻度が減り,さらには時間の短縮にもつながる。
実は慈恵や日医に合格するような人は,こういうことを巧みにこなせるのだ。
受験生のみなさん(特にウインダム生),悪い言い方をすれば,「ずる賢い」人になって下さい。
三輪