日本では今だに書店に置かれている
ニーチェの思想についての考察です。
ニーチェ(1844年~1900年)は
ドイツ連邦・プロイセン王国出身の哲学者で
実存主義的思想家の一人として知られています。
スイスのバーゼル大学の教授に就任すると
プロイセン国から離脱して無国籍者になっています。
ニーチェは
5歳の時にルター派の牧師だった父親を亡くし
翌年、弟のヨーゼフも病死しています。
男手を失ったことで父方の祖母と叔父のクラウゼ牧師を頼って移住します。
幼少時、いろいろな困難を乗り越えたことは
父や叔父が牧師だったこともあり
神の導きによるものと信じており、信仰を持っていたようです。
ドイツの名門校であるプフォルタ学院の校長から
転学の誘いがあり、入学を決意します。
1858年から1864年までの6年間をこの学院で過ごし優秀な成績を残したようです。
本学院を卒業後
ボン大学へ進んで、神学部と哲学部に籍を置きますが
最初の学期を終える頃
信仰を放棄して神学の勉強を止めてしまいます。
ニーチェの決断に影響を及ぼしたのが
シュトラウスの著書『イエスの生涯』だったようです。
この著書は
ヘーゲル哲学を発展させ、
福音書の中における奇跡を全面的に否定し
単なる神話として、その史実性を否定したもので
進化論に立脚した汎神論的な思想を展開したものです。
この辺りから
無神論者として
悪霊の影響を受け始めます。
さらに
ボン大学からライプツィヒ大学へ転学した時に
偶然購入した
厭世的思想家ショーペンハウエルの
『意志と表象としての世界』に心酔し
ボン大学時代の恩師の推挙もあって
24歳でバーゼル大学で教鞭をとりますが
31歳年上のワグナーと交流や決別を経験し
さまざまな健康上の問題により
10年で大学を辞職
在野の哲学者として生活することになります。
失恋、病気の再発、母や妹と不和による孤独感で
自殺願望にとりつかれ
これらの苦悩から解放されるため
1883年に『ツァラトゥストラはかく語りき』第1部を書きます。
この書籍は
ツァラトゥストラによって
自分の思想を語る小説であり
山籠もりしていたツァラトゥストラは
神が死んだことを知り
絶対者がいなくなった世界では
超人が必要であることを論じています。
これが後に、
ヒトラーやムッソリーニの思想的基盤となっていきます。
晩年のニーチェは重度の精神障害を患い
1889年
ワグナー夫人宛の手紙で
「私が人間であるというのは偏見です。
私はインドに居たころは仏陀でした。
ギリシアではディオニュソスでした。
アレクサンダー大王とカエサルは私の化身です。
ヴォルテールとナポレオンだったこともあります。
ワグナーだったことがあるような気もしないではありません。
十字架にかけられたこともあります。
愛しのアリアドネへ、ディオニュソスより」
としたためており
悪魔からの幻聴を聞き
様々な幻覚を観ていたのだと思います。
そして、翌年55歳でこの世を去ります。
ニーチェの人生からは
慢心、嫉妬、憎しみを感じます。
彼は天上界には還っていません。
彼の書籍を読んでいると気分が悪くなります。
God is not dead.です。
信仰なくして魂は人間ではいられないのです。
日本では無神論的な勢力が強いので
いまだに人気がありますが
このような人生を送られた人間の思想を読み続けると
波長同通してきますので、注意が必要です。
できればあまり深入りしないほうがいいかもしれません。
皆様の書籍選択の一助になれば幸いです。