日本人の精神的基盤になってきた武士道についての考察です。
「武士道」という書籍は
五千円札の表紙になっている
新渡戸稲造が
英語で書いた書籍が有名ですが
彼がこの書籍を書いた経緯は
宗教教育のない日本人が
いかに善悪を判断できるのか
アメリカ人の教授から
驚かれて尋ねられたのがきっかけです。
そこで、彼は
我々日本人が
何に基づいて善悪を判断しているかを
深く考えて得た結論が「武士道」です。
彼の理解した武士道とは
仏教、儒教、神道が融和し
義・勇・仁・礼・誠・名誉・忠義の徳目を重んじ
これが大和魂となって
日本人の行動規範を形成していると述べています。
確かに戦前までは
この大和魂が
日本人の思考と行動を規定していたと思います。
その実例として
イギリスの外交官
サムエル・フォール(Samuel Falle1919年~2014年)
の自伝 My Lucky Life に記述されています。
1942年3月1日の第二次ジャワ海海戦(スラバヤ沖海戦)に参加し
彼の乗船していた「エンカウンター」は
大日本帝国海軍によって撃沈され
約400名のイギリス兵は救命ボートで脱出
漂流から20時間以上が経過し
生存の限界に達した時
工藤俊作艦長の駆逐艦「雷」(いかずち)が現れた。
「日本人は未開で野蛮」という先入観を持っていた
サムエルはこのとき死を覚悟した。
雷の乗員は約200名
倍の漂流者を救助するとなると
敵潜水艦などからの攻撃リスクが高まるだけでなく
救助後の食料や水の提供は
部下乗員の生存にも影響を及ぼすことは必須
それでも
工藤艦長は
一砲のみを残して
全員に救出命令を出しています。
甲板に救出されたイギリス兵たちは
食事と水が惜しみなく与えられ
工藤艦長は
流暢な英語で
You have fought bravely.
Now, you are the important guests of Imperial Japanese Navy.
「諸君は果敢に戦われた。
今、諸君は大日本帝国海軍の大切な賓客である。」
とあいさつし
「英国潜水艦」に発見されないよう
日没の喫煙を禁じた以外は拘束をせず
翌日、オランダ病院船「オプテンノール」に移乗されています。
当時の戦況は
日本が優位であったことも影響していると思いますが
これは工藤艦長だけでなく
多くの海戦で漂流者を日本海軍は救出しています。
大和魂を持った日本人は
卑怯を恥とし
義に生きることを美徳と考えていました。
敵を憎むことなく
母国愛の心で戦っていました。
硫黄島の栗林中将
ペリリュー島の中川大佐
沖縄戦の牛島中将
これらの諸先輩方は
高貴な武士道の体現者だと考えています。
このような事実を
戦後は教えられる機会もなく
このような話をすると
戦争礼賛者と烙印を押しかねない風潮もあります。
しかし
武士道、大和魂は
やはり、日本人の精神の根底にあるものと
信じています。
この精神が完全に失われたとき
日本の危機なのだと思います。