闇の中にいる者、ここにあり
美しの宮からそう聞いた


闇に揉まれ
息も絶え絶え
何もかも信じられず
微かな光も感じられない


こんなこと
こんな難儀なこと
自分しか味わってないだろうという孤独感もあるだろう

しかし、このツクヨミが言っておく

決して一人ではない

何も信じるものがなく
孤独を感じる時だからこそ
このツクヨミがいる

このツクヨミは闇の中にいるものに寄り添う

美しの宮は
前世も今世もこのツクヨミと共に闇を生きた
今も息子の死という闇の中にいるが
どうやら、光に変えようとして、もうツクヨミの力はいらないらしい


それでいい
それでいいのだ

闇はいつまでも続かない

光と闇は地上において
いつまでも続かない

光が強ければまた闇も深い

それが地上である


闇の中にいて
もがき苦しむものよ

かつてその闇の中に
このツクヨミもいた
美しの宮もいた
多くのものがその中にいた

そして、今そこにはいない

必ず闇は光に
美に
愛に
姿を変える

このツクヨミがそれをするのではない
それぞれが闇を光にする物語を紡ぐ語り部となるのだ

一人ではない
孤独ではない
このツクヨミがいる


それを忘れるな