さて、また老体を引きずってワシが出てきたが
話を聞きたいものはおるかの?

観音が諸行無常と言っておったの。
まあ、日本人ならその言葉は聞いたことはあるはずだが、これがの
実践的に使われることなど殆どないのだ。
困ったことよのぅ。

よいか?
もろもろの行というものは常ならん
つまり、すべてものは変化すると言っとるわけだ。
この思想も聞いたことがあるだろう。

聞いたことはある。
あるな?

だが、我が身に起こると混乱をきたすのだよ。

世は風の時代とよぶらしい時代に突入したらしいの。
ならば、余計に諸行無常ではないのか?

風は目に見えずどこに吹くかもわからん。
強さもわからん。
形がないゆえつかまえどころがない。
それこそ諸行無常ではないか。

己もそんな生き方をせよと言う話ではないのか?
違うのか?
ワシはよく知らん。

だが、風というのなら
風の特性をよく知らんと風の中でいきていくことはできんのではないのかの。

風に乗るには
気を張っていてはうまくいかん。
体を柔らかく
心も柔らかくして
多少うつり気な方がよいかもしれん。


またワシがこんなこというとミカエルがおこるかもしれんがそんなことはどうでもいい。
ワシから見た話ゆえ
どうもでも言える。

皆はどう思う?
風の時代といわれて久しいが風のように生きてるものは殆どおらんがどうなのか?

口だけで実践してるものが少ないのはおかしいの。
絵に描いた餅がみな好きなようだの。

まあいい。
ワシはまたうちの家の池の鯉でもみてこようぞ。