奈央が新しいホームに行くことに決まりスタッフの態度はますます冷たくなってきた。
津村は、「どうして、他のホームに行くの?まるであたしたちが放り出したみたいじゃない。」
あたしたち?そう思うってことは自分たちがそんな事をやっている心当たりがあるからじゃない。あなたたちのどこに人をかばう暖かさがあったの?入居者さんにも自分の感情をぶつけて言いたい放題。と奈央は心の中で叫んだ。
「他のホームはもっと人間関係もフクザツで大変よ。ここはまだましな方よ。」
は?どこが。自分勝手にやってるのがまし?この人はちょっとでも入居者のことを考えたことがあるの?どこまでも傲慢な津村に怒りを越えて、無なさしさを感じた。
ホーム長の室井に挨拶をし、「あっちに行っても頑張ってね。」と感情のない、管理者のマニアル的な挨拶をされ、奈央は最後の勤務を終えた。
明日からは新しい第5ホームの介護スタッフ水原奈央として。