はじめは氏は、なぜ性行為を断るのかがわからなかったらしい。
私は再三再四親に言われてきた。
結婚前にしたら、幸せになれない。
絶対にしたらいけない。
そういう教えを受けてきたからか、処女がすごく大切なものと私は思ってきた。
体を重ねることは、愛を確かめ合うこと。
心ごと全部あなたにあげるよ。
永遠に離れたくない。
ずっとずっとあなたと生きていきたい。
少しでもくっついていたくて、少しでもあなたを感じたくて、ほんと、自分と一緒になってしまえばいいのに…って。
それぐらい“愛してるよ”。
私の未来も、全て、共有していこう。
そういう気持ちの上に、sexってあるものなんじゃないかって。
好きっっていう気持ちの有無なんか、そんなの大前提に決まっていて、それより更に上のところで、話は為されるべきで、
だから好きで恋人だからできるでしょ、待たせすぎじゃない、別にしたっていいのに、なんでそんな出し惜しみするの?なんて言わないでほしい。
部活の先輩とそれについて話してたらそういう風に言われて、更にはこんなことまで。
処女に価値なんてほとんど無いぞ、いい加減したらどうだ
本当に、ほっといてください!!
すごいショックだった。周りのみんなには、それほど守ることに価値はないの?
できるなら未来の旦那にあげたいじゃない。心ごとあげるのよ?それなりの覚悟が必要でしょ?できちゃう可能性だってあるんだから。
軽はずみに許して、できちゃって、傷ついて、しなければよかった…なんて絶対に思いたくない。
そうなってしまったときも、したことに後悔はしてないよって、胸張って言いたいじゃない。
お互いが傷つく可能性があるから、相手のことだって考える。
相手が本当に好きだから、一生一緒にいたいかなって思えるから、余計に慎重になる。
でも、周りのみんな、同い年の女友達に聞いてみても、そこまで処女は大切にはしてなかったみたいで…
あんたが大切にしてきたものは、価値なんて無いのよって言われたみたいで…
確かに、私の意見は偏ってるのかもしれない。
これは親の教えで根付いた考えだし。
「親に洗脳されてるんじゃないの?」って氏にさえ言われた。
待ってくれてはいるけど、「させてくれないんだからしかたないよ、ほんとにもう…考え変えないくらい頑固だし…はぁまったく」みたいな諦めでしてないみたいだし。
だってしかたないじゃない。
子供時代は、学校と家がほぼ世界だったじゃない。
特に親の存在は大きくて、自分の世界の壁であり、包んでくれる大地であり、全てだった。
自分の世界の、いわゆる神のような存在で、親の言うことが全てで、正しくて、親が首を縦に振らなきゃ全てが許されなかった。
それほどまでに、親の存在は大きかったのよ。
親の言うことは正しい。
そんな暗黙の了解みたいなものが、頭に植えつけられている。
それは氏たちからすれば、宗教的信仰のような効果が現れているように見えるかもしれない。
今はもう自分の頭で考えることもできるし、親の言うことを鵜呑みにせず、振り分けて吸収することが可能になったけど、大学に入ってから、その作業が必要になるって気づくまでに大分時間を要した。
親の言ってたことは、それが全てではないけれど、間違ってもいない。
体もつながることは、ものすごくおおきく、意味のある、それだけに多くの責任や、問題もついて回る。
そう思う。
家から出ただだっ広い世界の全ての人に否定されても、やっぱりすごくすごく大切なんだと思いたい。