《リンゴ》

艶のいい
赤くてまぁるい実を
一口かじった
カシリッといい音がして
丸の一部が欠けた
赤の隙間から白が覗く
キラキラ太陽と緑の香り
甘酸っぱい夏の味


貴方が木から落ちてきた
怪我を心配する私をよそに
無邪気な笑顔で
手の実を一口かじった
カシリッといい音がして
欠けた部分は二つに増えた
赤の隙間から覗く白は
私と貴方の証だね
くすぐったい気持ちに
甘酸っぱい夏の味


幼い頃登った想い出の木の上で
二口欠けた実を
一口ずつかじった
カシリッといい音がして
丸が次第に消えていく
赤から白へ変わっていく
サラサラそよ風と貴方の香り
甘酸っぱい夏の味


*口に広がる幸せ、今貴方と感じてる*

《好きなんだなぁ》

どうして友達じゃダメだったんだろう
部活が一緒で
クラスもずっと一緒で
誰よりもずっと近くて
ずっとずっと近い存在で


情けない姿も
真剣だった姿も
見せ、見られてきた
悔しくて泣いてしまったときも
とびきりの笑顔で喜んだときも
横とは言わないまでも
必ず近くにはいた

飾らなくてもいい
格好をつけなくてもいい
そんな自然な関係が
私にとって最高の恋だった


二人だけで話す時間が
心地良くて
何よりも幸せで
安心できて
心が温かくて
優しい気持ちになれて
嬉しくて嬉しくて

「ああ私、好きなんだなぁ」
そう思うよ

だから
想いが届かないとか
そんなことを考えるのはよそう
こんなにきれいな気持ちになれるんだもの
明日はきっと笑顔でいられる


*“その時”が終わった時、胸を張れるように。“好き”を自分を高めるエネルギーに変えていく*
《氷ノ月》

薄空の中に一人ポツンと浮かぶ
触れたら壊れてしまいそうな月
ガラスのように脆く
氷のように儚い
人は呼ぶ“氷ノ月”と

湖面の氷
素足で踏んだなら
崩れる音と共に冷たさが伝わる
体温に溶けて水に戻る
水中を舞う欠片も
やがて滴となるだろう


ソウ、ソレハマルデ月ノヨウ…


湖面に映る月と空の月
どちらの方が脆いだろう
弱風にでさえ揺れて掻き消されるか
陽光や雲で隠されてしまうか


薄空の中に一人寂しく浮かぶ
消えそうで寂々たる月
人の心のように脆く
夢のように儚い
人は呼ぶ“氷ノ月”と

熱き熱き涙が頬を流れて
月にぽつりと落ちた
氷の月は温かい光を放って
滴と共にスッと溶けた


*我願ウハ夏ニ舞ウ雪ノ欠片。熱キ氷ノ欠片*

今日は少し憂鬱が抜けた。


よかった。


無駄なことを考えなくて済んだ。


よかった。


なんとか無事に一日終わった。


よかった。


よかった。


よかった。

なんだかちょっと疲れてしまった。


何かを言われることで、酷く憂鬱に感じたりする。


なぁに、ちょっと周りと共に生きることに疲れただけ。


眼を閉じて、深い安らぎに入れば、きっといつもどおり笑顔でいられるよね。



ちょっとしたことが気になっても、すぐ忘れることにした。


それでも、気になるところは嫌でも目に付いて、周りの悪い習性が、


拍車をかけるように私に寂しさをプレゼントしてくれて、


なんだか思考や気持ちが疲れてしまって、なんだか非常に寂しい…というかわびしくなる、虚しくなる。


何が主な原因で、どうすればよいのか…正しい処方箋が見つかりません。


眼をつぶれば、次の瞬間が変わっていることを願う。


こんな無気力はごめんだ。


こんなことは大丈夫、時々あることなんだから。。。

《Week》

月曜日

唯一の

あなたと一緒の講義

なんとなくお洒落をしてみたり


火曜日

同じ電車に乗っていないかと

君を探す朝

少し早めに家を出る


水曜日

ご飯を食べながら

外を眺める

大勢の中から

たった一人を探してる


木曜日

部活の外周

目の前通る君のいる場所

邪魔だとフェンスに文句


金曜日

早めに帰ってバイトに入る

一緒の人と盛り上がるお喋り

そんな話題の一つは恋バナ


土曜日

部活の用意を取りにロッカーへ

君のいる場所よく見える

心の中で叫んでる

頑張って、私も頑張るよ


日曜日

予定何もないからと

見つめる画面

動く親指

君のつづる言葉見て

ほら隠せない笑顔


一週間が終わる

そして

それは再び巡る

今日もまた

月が沈んで陽が昇る


*想う幸せ、いつもココに。昨日も、今日も、明日も、その先も*
《Thinking or Saying》


思うことと

口にすることは

違うこと

それはとても

大きく大きく


思うことは

無限に広がっていくこと

一つのことをきっかけに

思い出や願いが

過去や未来が

行き交うこと


口にすることは

行き着いた場所に定着すること

印象は良くも悪くも

強ければ強いほど

より心に残りやすい


口にするとき

その声を聞いているのは二人

一人は相手

もう一人は自分

口にしてから

「嗚呼しまった」と思うのは

そのためだよね?

温かいコトバ

冷たいコトバ

包み込むコトバ

突き放すコトバ

様々なココロ

自分自身から生まれる

単純だけど複雑な魔法



頭の中で

こう言ったら相手はどう思うか

一生懸命考えて

測り知れない力を予測して

口にすると

初めて音として出てくる


どうせ伝えること

相手も自分も

幸せになれる

そんなコトバを贈りたいね


*口にしたコトバ、書いたコトバは、自分の責任と誇りをもって*
《未完成のラプソディー》


涙よ、雨に変われ
雨よ、恵みとなれ
緑よ、生に輝け


ここは僕等が在ることを許された大地


過ぎ行く日々の中で
僕等は何を
見て
聞いて
触って
感じて
生きてくんだろ?

そんな果てない問いを
呪文のようにとなえては
空を見上げる

陽が昇り
風が吹いて
髪がなびく
雲が流れて
時が流れて…
あたたかくて
まばたき一つ
思う



 今がある


     僕がいる



ここは僕等が思うことを許された大地


世界に転がるガラクタを拾い集めては
一つ一つに願いを込める
不完全なモノだからこそ
こんなにも愛しい

両手を掲げて
願いを唄うよ
それは未完成のラプソディー
永遠に唄われ続ける
けれど同じ旋律などない
終らないラプソディー

今日もどこかでウタが聞こえる


笑顔よ、絶えないで
吐息よ、心を温めて
暗闇よ、幻を消して
淡光よ、闇を包んで


夢よ、現となれ



*それは、いくつもの願いに彩られた、不定形狂詩曲*
《どうして僕は人になった》

どうして僕は
天使になれなかった
どうして涙をぬぐい
大丈夫だよと笑顔を見せ
相手の幸せを願うことができなかったんだろう

どうして僕は
悪魔になれなかった
どうして自分のことだけを考え
一歩も譲らず
一つの道を突き進むことができなかったんだろう

中途半端に相手を思い
そして自分も捨てられずに
互いの幸せを望んで
結果的に
相手も自分も
傷ついた

どうして僕は
二つとも手に入れたがる人間になってしまったんだ
どうして一方だけを望めなかったんだろう


*二つとも手に入れられる日は来るの?*
《I'll give you...》



言ってほしかったコトバがあった

手に入れたかった温もりがあった

気付いてほしかった苦しみがあった


でもその願いは

叶うことはなかった


見つけた

私と同じコトに

心を痛めている人

私が

言ってもらいたかったコトバをあげよう

ほしかった温もりをあげよう

その苦しみを掬いとろう

こんなコトで涙するのは

私一人で十分だから

誰も私と同じ傷付き方を

してほしくはないから



*言動が大人だねって言われるけど、そうじゃない。私がほしかったコトバを、言っている。ただそれだけ*