不完全な切り紙細工 -67ページ目

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある

 
 
 僕が雨が好きなのは

 雨が静かに世界を濡らすからだと思っていたけれど

 でも

 もしかしたら今日のように

 暴力的に降る雨の

 なんだか破壊的な有様が好きなのかもしれないと思う

 押し流すもの

 洗い去るもの


 そういうものを求めているのなら

 きっと何処かで僕は自分が気に入らないと感じているのだろう

 だからと言って

 どうしていいのか分からずに

 ただ雨を好きだと

 雨に同化していたいと思うのだろう


 あるときは鎮められたいと

 そしてまたあるときは

 すべてを流し去れと












               夕方には海のシリーズを続けたいと思っています