不完全な切り紙細工 -46ページ目

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある

 

 




 パステルカラーのあなた
 その瞳に
 降り続ける雨の色が映っていた

 あなたは涙をこらえていたのか
 それともまだ遠い夢を見ようとしていたのか

 小さく噛んだ唇が震えていた

 雨はなおも降り
 あなたはなおも雨を見ていた

 その光景はまるで僕にとっては
 覚めそうで覚めない夢

 いつまでも降っている雨のようだった