冬日 | 不完全な切り紙細工

不完全な切り紙細工

 誰も聴く人がいないのに歌いつづける歌がある
誰も見る人がいないのに踊りつづける踊り手がいる
誰も読む人がいないのに書きつづけられる言葉があって
不完全な切り紙細工を幾つも幾つもつなげていけば
そこに何かの絵が生まれるものと願う鋏がここにある


















 雪は降っていなかったが気温は零度近く

 風は凍るように冷たかった

 ポケットから出した手は瞬く間に硬くなる

 12月にはまだ色づいていた林は今日は色を失っていた

 夕暮れ間近の冬の陽は奇妙に黄色みを帯び

 きらびやかに空間を照らしていた

 光の帯が放射状に広がって天に手を伸ばしている

 あの向こうにある太陽は冷たいのだろうかとふと思う

 それほどに空気も光も冷え切っていた

 
 あの鷺たちは無事でいるのだろうか